しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年12月4日(水)

日米協定・変形労働 採決

参院委 自公強行 野党反対

 9日に会期末が迫る3日の国会では、自民・公明両党などが参院で、国内の農林水産業や地域経済に大打撃を与える日米貿易協定承認案や、8時間労働原則を崩し労働条件に重大な不利益をもたらす1年制の変形労働時間制を公立学校教員に導入する「公立学校教員給与特別措置法(給特法)改定案」を委員会で採決しました。


日米貿易協定 国内農業を犠牲

井上議員反対討論

写真

(写真)日米貿易協定承認案の採決に先立ち質問する日本共産党の井上哲士議員(左奥)=3日、参院外防委

写真

(写真)給特法改定案の採決に先立ち質問する吉良よし子議員(左奥)=3日、参院文科委

 参院外交防衛委員会では、日米貿易協定と日米デジタル貿易協定の承認案が与野党の合意がないままに採決され、自民、公明、維新などの賛成多数で可決されました。

 日本共産党の井上哲士議員は反対討論で、日米貿易協定が、(1)発効時に米国牛肉の関税率を、米国を除く環太平洋連携協定(TPP11)参加国と同水準まで引き下げる(2)米国向けセーフガード発動後に、発動基準数量を緩和するための協議の規定を盛り込んでいる―点で、国内の畜産農家をかえりみていないと批判。協定付属書で米国が「将来の交渉において農産品に対する特恵的な待遇を追求する」と明記したのは、農産物の一層の関税撤廃・引き下げを迫る根拠を与えたことになり、「到底容認できない」と主張しました。

 また、デジタル貿易協定は「米国IT産業が求める水準での米国主導のルールづくりに協力するものだ」と強調。個人情報や消費者の保護などのための新たな規制措置に「制約をもたらす恐れがある」と指摘しました。

変形労働制 教員抜本増員こそ

吉良議員反対討論

 参院文教科学委員会では給特法改定案が、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、れいわ新選組は反対しました。

 日本共産党の吉良よし子議員は反対討論で、変形労働時間制は恒常的な残業がないのが前提なのに、公立学校教員の時間外勤務がまん延していると指摘。制度導入の是非を議論できる段階ではなく、「休日まとめ取り」のための制度だとの政府の説明に、まとめ取りは「年休や代休の活用」などで可能だと反論しました。

 教員の長時間過密労働改善のためには、教員を抜本的に増やし、業務を削減すべきだとして、給特法の「残業代の不支給」と「労働基準法第37条の適用除外」の規定の削除が必要だと主張しました。


pageup