2019年12月3日(火)
「努力は全く不十分」
国連事務総長 意欲的取り組み要求
【マドリード=遠藤誠二】COP25の開会を前に、国連のグテレス事務総長は1日、開催地スペイン・マドリードの会場で記者会見し、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の目標達成にむけ、各国に意欲的な取り組みを提示するよう改めて求めました。
グテレス事務総長は「気候に関する自然災害はより頻繁に、より致命的に、より壊滅的となり、人的、財政的なコストの負担が増加している。世界の一部地域でおきている干ばつは驚くべき速さで進んでおり、人類の生活環境を破壊し食糧の安全保障を脅かしている。毎年、気候変動に関連した大気汚染は700万人を死に追いやっている。気候変動は、人間の健康と安全保障にとって劇的な脅威となった」と警告を発しました。
グテレス事務総長は、産業革命時からの気温上昇を1・5度に抑えるパリ協定の目標達成にむけて、2030年までに温室効果ガス排出を45%(10年比)にし、50年までに実質ゼロにする必要があると訴えています。
会見でグテレス事務総長は、これらの目標達成にむけた国際社会の努力は「全く不十分だ」と断言し、COP25の場やその後に、「義務と責任、指導力を示し、より意欲的な目標と確約をみせてほしい」と各国によびかけました。
また、「COP25が、パリ協定6条の履行にむけたガイドラインで合意することを強く望む」と話し、温室効果ガス削減量の国際取引の運用ルールで合意に達することに期待を寄せました。