2019年12月2日(月)
性犯罪無罪 分析を
藤野氏 刑法規定改正の調査で
|
法務省の小山太士刑事局長は11月27日の衆院法務委員会で、刑法性犯罪規定の改正などに向けて進めている判例調査をめぐり、3月に福岡、名古屋などの地裁で相次いだ四つの無罪判決についても「収集している」と述べました。日本共産党の藤野保史議員への答弁。
小山氏は、他方で、「どう分析するか確たることは言えない」と言葉を濁しました。
藤野氏は、一連の無罪判決のうち、10代前半の娘に強制性交した父親を無罪とした静岡地裁判決について、知的障害のある娘が児童相談所職員に被害を告白した際「顔面蒼白(そうはく)」だったと認定しながら、「実際にはなかったにもかかわらず、姦淫(かんいん)被害があるかのように振る舞った可能性を否定できない」「架空の被害を訴える程度の性的知識を獲得していた可能性を否定できない」としていると告発。「なぜこのような認定が行われたのかしっかり分析すべきだ」と主張しました。
その上で、障害があっても現行法では年齢で線引きされ、加害者が裁かれない事例があり、知的障害児者への性暴力を罰する要件を刑法に設けるべきだと主張。2017年の刑法改正時の法務省有識者検討会が提言し、米、仏、独など各国に先例もあると迫りました。森雅子法相は「指摘もあるので充実した検討ができるよう適切に対応したい」と述べました。