2019年11月30日(土)
カジノ 北海道が断念
知事表明 世論が追い込む
北海道内の経済界や候補地に名乗りを上げた苫小牧市などが推進してきたカジノを中心とする統合型リゾート(IR)誘致問題で、鈴木直道知事は29日の道議会本会議で誘致断念を表明しました。
道が優先候補地として検討してきた苫小牧で絶滅危惧種や猛きん類の巣が見つかり、希少動植物が生息する可能性や、「カジノ(賭博場)誘致に反対する苫小牧市民の会」が2万人を超える反対署名を集約。
道が9月から11月に実施したアンケートでも66%の道民が「誘致に不安がある」と回答するなど、「ギャンブル依存症を増やし、自然環境を破壊するカジノは誘致すべきでない」との世論が盛り上がりました。
鈴木知事は「今回の区域認定申請までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能と判断した」と悔しさをにじませ、「来るべき時には挑戦できるよう所要の準備をしっかり進める」とあくまで誘致推進を強弁してみせました。
道議会で一貫して誘致反対の論陣を張ってきた日本共産党道議団の真下紀子団長は、「北海道にカジノはいらない」との道民の世論と運動が追い込んだ結果だと強調。誘致に前のめりになる一方、ギャンブル依存症などカジノの負の影響をあまりにも軽んじていると強く批判。「カジノ誘致に含みを持たせる知事の姿勢は断じて容認できない」とのコメントを発表しました。