2019年11月30日(土)
水密化で事故防げた
福島原発千葉訴訟 住民側主張
東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に避難した17世帯43人の住民らが国と東電に対し損害賠償を求めた福島原発千葉訴訟の控訴審第6回口頭弁論が29日、東京高裁(白井幸夫裁判長)で開かれました。
住民側の弁護団は、東日本大震災時の第1原発への津波浸水状況から、配電盤が置かれた部屋に水密扉を設置するなど「建屋の水密化」を講じていれば、事故を回避することが可能だったと主張。水密化対策が防潮堤に比べ時間的にも費用的にも技術的にも簡易で低廉だとして、簡便な措置すら対策をしない事態は「深刻な災害を防ぐ原子力法制の趣旨から許されない」と指摘しました。
また、平穏な生活に対する侵害の有無などについて、どの避難区域からの避難者かで異なると主張する東電に対し、居住地域の放射線量にかかわらず、「まるごと生活を奪われた」のであって、それは放射線量で線引きされた「帰還困難区域」「自主的避難等対象区域」によって変わらないと反論。平穏生活権の侵害の有無や程度は「原告らの実際の苦しみ」を考慮すべきであり、東電の主張は「侵害の程度を矮小(わいしょう)化しようとする主張だ」と述べました。
次回は来年2月28日。