2019年11月26日(火)
障害児教育発展ぜひ
養護学校義務制40年全国集会
どんなに重い障害がある子でも学校に行ける―。養護学校の義務教育制度が始まって40年を記念した全国集会が25日、国会内で開かれ、参加した200人が障害児教育の発展に向けて運動を進めることを確認し合いました。主催は、障害者団体と全日本教職員組合(全教)でつくる養護学校義務制40年を考える実行委員会。
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全国障害者問題研究会(全障研)の中村尚子副委員長は、義務制は教育における平等のスタートラインだと強調。「この40年の歴史的視点にたち、未来に向けて現在を問うていこう」と呼びかけました。
全障研委員長で奈良教育大学の越野和之教授は基調報告で義務制の意義は「学校に子どもを合わせるのではなく、子どもに合った学校を」と実践を積み重ねてきたことなどだと指摘。義務制実施後、さらなる教育権保障の運動に広がったことを紹介しました。
きょうされんの藤井克徳専務理事は、義務制が「障害児者の要求の連鎖をつくる起点になった」と指摘。
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)の中内福成会長が、障害のある息子の入学から卒業後の働く場、共同作業所づくりに運動が発展したことを振り返り、きょうされんの斎藤なを子理事長が、不就学だった障害者が作業所で豊かに発達した姿を語りました。全教の佐竹葉子障害児教育部長は、権利としての障害児教育の現状にふれながら、文部科学省との交渉で担当者が障害児学校の設置基準も含めて「検討する」と明言したことを紹介しました。
全障研の薗部英夫副委員長は、国連・障害者権利委員会に提出した民間報告に「同条約がめざすインクルーシブ教育が推進されていない」と明記した経過などを述べました。
障全協の白沢仁事務局長は、義務制の成果と確信が、障害福祉・医療制度の充実につながったと語りました。
日本共産党の畑野君枝衆院議員が参加しました。
養護学校義務制 1979年、養護学校の義務制が施行されました。それまでは、憲法などのもとでも、重度の障害児は就学「猶予・免除」の対象とされ、義務教育の場から排除されていました。