2019年11月23日(土)
刑法性犯罪の再改正早急に
被害者らが政府に要望
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刑法の性犯罪規定の見直し時期を来年に控え、性犯罪被害当事者や支援者ら12団体でつくる「刑法改正市民プロジェクト」が21日、法務省を訪れ、「2年前の改正では性犯罪被害者と認められない実態は変わらない。来年に再改正するための審議を早急に実施してほしい」と政府に要望しました。
刑法は2017年に改正されましたが、拒否できないほどの「暴行・脅迫」がなければ強制性交等罪とならない「暴行・脅迫要件」などが残りました。このもと性暴力事件で無罪判決が相次いでいます。
要望書では、刑法改正における審議の委員に被害実態を理解した人を複数入れる▽検討や審議に被害当事者や支援者の声を反映する―も求めています。要望書を受け取った宮崎政久法務政務官は「各地でのフラワーデモの開催も認識している。(法務省の)ヒアリング内容を踏まえてしっかり取り組んでいきたい」とのべました。
記者会見した「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」の周藤由美子共同代表は、「裁判で、合意のない性交と認定しながら犯罪とされない現行刑法は被害者だけでなく市民感情とも矛盾しており再改正が必要だ。審議に着手してほしい」と強調しました。NPO法人「しあわせなみだ」の中野宏美理事長は、「性暴力という困難を抱えた人が、ここまで声を上げざるを得ない現状を真剣に受け止めるべきだ」と訴えました。