2019年11月20日(水)
きょうの潮流
子どもに人間の尊厳を教えるべき教員の間で、重大な人権侵害・暴力事件が起きたことが多くの人に衝撃を与えました。神戸市の小学校で起きた教員間の「いじめ」。被害にあい休職に追い込まれた教員への手厚い対応と、事件で傷ついた同校の子どもたちへのケアが求められています▼激辛カレーを無理やり食べさせるなどの悪質なパワハラを、なぜ誰も止められなかったのか。当時の校長は容認していた様子さえうかがえます。徹底して事実を明らかにしてほしい▼感じるのは人権感覚の欠如です。それは子どもの人権の軽視・無視にもつながります。同僚をいじめている先生に、子ども同士のいじめを本当の意味で止められるはずがありません。加害教員の一人は子どもへの体罰もありました▼いま多くの学校で、教員が自由にものをいえない雰囲気が広がっているといいます。その一方で次々と上から課題が押し付けられ、目に見えた成果を求められ、多忙化は一層深刻になっています。教員が追い詰められ、人権感覚を喪失させられてしまう状況がつくられていないでしょうか▼日本共産党神戸市議団はこの問題を受けシンポジウムを開催しました。保護者や地元住民の間で、なんとかしたいという動きが始まっています▼20日は子どもの権利条約が国連で採択されてからちょうど30年。学校をすべての子どもと教職員の権利が保障される場に。そのために、教育現場に人を増やし、上意下達をやめて自由を取り戻す根本的改革が必要です。