2019年11月16日(土)
公立教員に変形労働制
与野党合意なく自公賛成で可決 畑野氏が反対討論
衆院文部科学委
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衆院文部科学委員会は15日、公立学校教員に「1年単位の変形労働時間制」を導入することを盛り込んだ「公立学校教員給与特別措置法(給特法)改正案」を、与野党の合意がないなか委員長職権で採決し、自民、公明、維新などの賛成で可決しました。日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの野党共同会派は反対しました。
採決に先立ち日本共産党の畑野君枝議員は同法案に「断固反対する」立場で討論に立ち、教員の長時間労働を改善するためには、業務の抜本的縮減、教員の大幅増員とともに給特法の抜本改正こそ必要だと主張しました。
畑野氏は、同法案は「教員に長時間労働を押し付けている給特法の枠組みには一切手を付けていない」と批判。「1年単位の変形労働時間制」が8時間労働の原則を崩し、労働者に長時間労働を押し付け、使用者の残業代節約に活用されているのが実態だと告発しました。そして、政府が教員の過労死事案が多い4、6、10月などに所定労働時間を延長すると答弁していることにふれ、「教員の過労死促進法案だ」と批判しました。
その上で、「1年単位の変形労働時間制」が重大な労働条件の不利益変更であり、だからこそ労働基準法が労使協定の締結などを課している点を強調。公立教員に対して労使協定を結ぶことなく条例で導入を可能にするのは、憲法にもとづく労基法の最低基準としての役割を否定する二重三重の憲法違反だと指摘しました。