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2019年11月9日(土)

英語民間試験 中止し授業充実こそ

小池書記局長が主張

BSフジ番組「プライムニュース」

 日本共産党の小池晃書記局長は7日夜放送のBSフジ番組「プライムニュース」で、大学入学共通テストで導入延期となった英語民間試験や相次ぐ閣僚辞任、野党共闘の課題などをめぐり自民党の下村博文選対委員長、立憲民主党の長妻昭代表代行、日本維新の会の馬場伸幸幹事長と議論しました。


制度の根本総崩れ

 第2次、第3次安倍政権で文部科学相だった下村氏は、延期が決定した英語民間試験について「受験生は今まで英語試験の準備をしてきたのだから、やれる形をとりながら、今後より公正公平な制度づくりに努力していきたい」と今後の実施に固執しました。

 これに対し小池氏は、10月24日放送の同番組で英語民間試験の受験を「身の丈で」とした萩生田光一文科相発言の本質について「入試制度そのものに経済格差が持ち込まれる。しかも採点基準が違う試験をやる。入試制度としての根本が総崩れになっている。民間企業に丸投げしたから、公平性が保てない。延期ではなく、きっぱり中止し、抜本的に見直さなければいけない」と主張しました。

 下村氏は、第2次安倍政権発足(2012年12月)前に発足した自民党教育再生実行本部の初代本部長で、その後文科相になり英語民間試験の導入を推進した当事者です。その経緯にふれた小池氏は「まさに典型的な官邸主導の改革として進められた」「英語教育研究者は反対の声をあげていた。受験する高校生たちの声も聞かなかった。下村氏の発言には、大混乱を招いたことに対する責任がまったく感じられない」と厳しく批判しました。

 しかし下村氏は「英語4技能(読む・聞く・書く・話す)はセンター入試で加速化させる必要がある」と英語民間試験の導入をなおも主張しました。

 小池氏は「4技能を強めていくのは大事なことだと思う。しかしその基本は授業でやるべきで、入試の公平性と引き換えにやっていい問題ではない。それをカバーすれば、ばく大な費用もかかる。そのお金があれば、英語教育の充実のために人を増やすなど教育条件を改善できるし、その方がよっぽどいい」と提起しました。

 馬場氏が高い英語検定料の見直しに言及したのを受け、下村氏は「自民党は憲法改正4項目の一つに『教育の充実』を入れている。憲法議論も含めてぜひ進めたい」と発言しました。

 小池氏は、「検定料を下げることと憲法とは何の関係もない。憲法を変えなくてもこんなばかげた制度は変えられる。国が責任をもってやれば、検定料も大幅に引き下げることは可能ではないか」と反論。国語・数学試験の記述式導入は採点で公平性が担保できない問題があるとして中止を求めました。

全く新しい政治を

 日本共産党が来年1月に開く第28回党大会に向けた決議案で、22年の党創立100周年までの野党連合政権の実現を打ち出したことをめぐり、キャスターの反町理フジテレビ解説委員長は、立民・長妻氏に「共産党との連合政権は視野に入っているのか」と質問。長妻氏は「まだ私たちはその議論をしていないが、どういう形で、(政権問題で)着地するのかは詰めて議論をしないといけないと思う。いまの私たちのスタンスは、立憲民主党中心で政権を担うという考え方だ」と述べました。

 政権問題について小池氏は、「野党が勝つためには、国民が『ここに投票すれば政治が変わるんだ』という実感をもっていただけるかだと思う。そのためには、野党の政権構想を示す必要がある」と指摘。さらに「(野党攻撃で)安倍首相は“かつての民主党政権の再来だ”とさかんに言う。でも違う。今度つくろうとしている政権は、かつての民主党政権の復活ではなく、国政の基本問題で自民党政治を切り替える新しい政権をつくろうといま結集している」と述べました。

 さらに小池氏は、先の参院選で5野党・会派が「市民連合」と13項目の「共通政策」を確認し、各政策分野で合意が積み重ねられてきたと紹介。安倍政治からの転換の方向として、憲法にもとづき立憲主義を守ることや、格差をただし、家計応援第一の政治に切り替えること、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重すること、さらにアメリカにもロシアにも中国にもきちんとモノを言う外交という点も野党間で共有されていると力説しました。

 長妻氏も、参院選1人区で共闘する「前提」として市民連合との「共通政策」をあげ、「これは(党首が)サインしている」とその重さを指摘しました。


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