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2019年11月9日(土)

三沢米軍模擬爆弾落下 一歩間違えば大惨事

10キロ北 核燃再処理工場

青森県知事 自粛を要請 1キロ以内に小・中学校

 米空軍三沢基地(青森県三沢市)配備のF16戦闘機が6日午後6時37分ごろ、同県六ケ所村の民有地に模擬爆弾を落下させた事故は住民の生命・財産に被害を与える可能性のある重大事故でした。近くには小・中学校だけでなく、使用済み核燃料の再処理工場があるなど、一歩間違えば放射能汚染を周辺地域に広げる大惨事になりかねない状況でした。(佐藤つよし)


図

 模擬爆弾が落下したのは、三沢市と六ケ所村の境界にある米軍や自衛隊の航空機が射撃訓練や模擬爆弾の投下訓練を行っている三沢対地射爆撃場の西約4・8キロにある内沼北側の牧草地です。

 落下地点から東に1キロ以内には、村立南小学校、第二中学校があります。北10キロには原発で発生した使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本原燃六ケ所再処理工場があります。

 模擬爆弾は実弾を模した形の重さ約226キロのコンクリート製。現場では8日、地中深く埋まった模擬爆弾を米軍が掘り起こして回収する作業を行いました。三村申吾知事は同日、河野太郎防衛相に対し「一歩間違えば大変な惨事になったことが考えられ、県民に大きな不安を与えて、米軍の安全管理体制に対する不信感を増幅させるものだ」として、模擬弾を使用した訓練の自粛を申し入れました。

 昨年2月にも三沢基地を離陸したF16戦闘機がエンジン火災を起こし、基地西側の小川原湖に燃料タンクを投棄し、シジミ漁中の船の近くに落ちる事故を起こしています。事故の影響で特産のシジミ、シラウオ、ワカサギの漁が1カ月にわたり休業し、9000万円の損失が生じました。

 米空軍の事故報告書では、出火したエンジンの部品交換の際に誤って旧式部品を発注し取り付けていたことなど、ずさんな整備と部品の管理体制が問題になっていました。


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