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2019年11月5日(火)

太陽圏と星間空間に境界層

ボイジャー2号観測

 米国の探査機ボイジャー2号が昨年11月に太陽圏から星間空間へ出たときの観測データを、同国の五つの研究グループが解析した結果がそれぞれ4日付の科学誌『ネイチャー・アストロノミー』に掲載されました。2012年に太陽圏から星間空間へ出た探査機ボイジャー1号のときとは異なる点もあったといいます。

 ボイジャー2号は、米航空宇宙局(NASA)が1977年に木星と土星などの観測を行うために打ち上げた探査機で、89年に海王星を観測した後も飛行を続けています。打ち上げから42年がたった今も、観測データを地球に送り続けています。

 昨年11月には、太陽と地球の距離(約1億5000万キロ)の119倍にあたるところで、太陽風と星間風が相互作用するヘリオポーズと呼ばれる場所を超えたとみられる観測データを送ってきており、この時点で太陽圏から星間空間へ出たとみられていました。

 『ネイチャー・アストロノミー』に掲載された五つの論文はボイジャー2号が太陽圏から星間空間へ出たことを裏付けるものでした。しかし、ヘリオポーズと星間空間との間に境界層が存在することなど、ボイジャー1号のときには観測されていなかったことがわかりました。

 また、境界に最も近い星間物質が予想よりも高温で変化に富んでいることも示されました。

 ボイジャー1号のときと2号のときの違いは、太陽活動レベルの変化が原因である可能性や、それぞれの異なる軌道が関係している可能性があるといいます。


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