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2019年10月31日(木)

韓国カジノを現地調査

近隣地域への負の影響深刻

横浜・古谷党市議の手記

 横浜市がカジノを中核とするIR(統合型リゾート)の誘致に乗り出しています。隣国・韓国でのカジノの実態はどうなっているのか―。10月17~19日、NPO団体が主催する韓国のカジノ視察ツアーに参加した、日本共産党横浜市議団の古谷靖彦副団長に手記を寄せてもらいました。


自殺者急増・一家離散も

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(写真)地元には、時間営業の質屋があちこちに=19日、韓国

 韓国で唯一、自国民が利用できる、江原道(カンウォンド)のカジノ「カンウォンランド」に行きました。

 カンウォンランドは、首都ソウルから特急列車で4時間近くかかる山の中にあります。カジノの営業時間は、正午から翌朝6時まで。営業終了後、4千人近い客が山から下りてきます。

金貸しや風俗店

 ふもとの町は、24時間営業の食堂や風俗営業店、ラブホテルが目立ちます。金貸し業者があちこちで客引きをしており、駅前では車の中から直接お金のやりとりをしている姿も目撃しました。

 24時間営業の質屋も目立ちました。カジノに続く歩道には、質屋に預けられた車が100台以上放置されています。

 カジノに反対し、ギャンブル依存症患者を支援している現地の牧師によれば、この街では、カジノが開業してから自殺者が急増し、ほぼすべてのホテルで自殺者が出ているとのこと。借金がかさんで一家が離散する事例もあり、人口は減り続けているとの話でした。

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(写真)古谷靖彦市議

 このように、距離が近いことによる地元への負の影響は深刻で、開業当初は自由だったカジノへの入場は現在、1カ月に1回と厳しく制限されています。しかし、それでも、カジノ入場日に数カ月分もの収入を持って入場する人が後を絶たないと聞きました。

「カジノは嫌い」

 カジノをずっと前に解禁している韓国でさえ、自国民に向けてカジノを自由に解禁することには非常に抑制的で、大都市から遠く離れたところに例外的に許可しているだけです。

 日本のカジノ論議では、カジノとの距離の近さの問題がほとんど議論されていません。仮に中区の山下ふ頭にカジノをオープンさせれば、気軽に通える距離に暮らす市民は、中、西、南の各区など数十万人にも及びます。

 ソウル市内で「カジノについて好きか嫌いか」と問うシールアンケートも行ってみました。年齢に関係なく、圧倒的に「カジノは嫌い」にシールを貼ってくれました。横浜でのカジノ誘致をストップさせるために全力を尽くしたいと思います。


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