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2019年10月28日(月)

きょうの潮流

 世界の金融機関に「新しい規範」が生まれつつある―。各国の銀行や年金基金による核兵器製造企業への融資・投資状況を毎年公表するオランダの平和団体が今年の報告書で指摘しています▼現時点で核兵器製造企業への融資や投資を停止したり規制したりしている金融機関は77に達しました。昨年の報告書と比べて14増です。この中には来年創設150年を迎えるドイツ最大手のドイツ銀行も含まれます▼「無差別的な影響、過度の苦しみ、不釣り合いな規模の人道的影響という理由から国際社会が受け入れられない兵器に直接携わる企業との取引は避ける」。同銀行が昨年決めた新たな指針が評価されました▼こうした変化の底流に核兵器禁止条約があることは疑いありません。人類史上初めて核兵器に悪の烙印(らくいん)を押した条約が国連で採択されたのは2017年。そのころから投資の引き揚げを決める金融機関が特に増え始めていることは決して偶然ではないでしょう▼世界最大の核保有国米国でもマサチューセッツ州やニューヨーク市で年金基金の運用にあたり核関連企業からの投資引き揚げを求める法案が議論されています。国際法で核兵器が禁止されたことで金融機関の行動に対する市民の監視も一段と強まっています▼核兵器禁止条約はあと17カ国が批准すれば発効というところまで来ました。被爆者と世界の世論と運動が生み出した条約は核兵器固執勢力を着実に追い詰めています。早期発効へ日本でも世界でも運動を強めるときです。


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