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2019年10月23日(水)

楽天 送料負担押し付け

出店業者に一律 独禁法違反の疑い

岩渕議員の調査で判明

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(写真)楽天のホームページ

 インターネット通販会社の楽天が、楽天市場出店業者に一律に送料の負担を押し付けようとしていることが、日本共産党の岩渕友参院議員事務所の調べで22日までに明らかになりました。優越的地位を利用して取引相手に不利益を与える独占禁止法上の「優越的地位の乱用」にあたる疑いがあります。

 楽天による送料一律化は8月1日に出店業者に一方的に伝えられました。利用者が購入した金額が3980円以上の場合、送料の利用者負担をなくす一方、出店業者に負担を一方的に押し付けるものです。楽天は、2020年年初からこの「送料無料ライン」の導入を計画しています。

 「3980円」という金額設定をしたことについて楽天は、同金額を超えた場合に利用者が楽天市場から「離れていく」傾向があるという、利用者の購買行動から導き出したとしています。楽天市場に出店している多様な業者、多彩な商品の違いを無視した一律の金額設定であり、しかも、その際に生じる負担を楽天が背負うのではなく、出店業者に引き受けさせる、というものです。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は「店舗さんはほぼ納得している」(8月8日の決算説明会)と発言しています。ところが、楽天の出店業者からは、「送料を無料にする分、商品を値上げするわけにはいかず、採算がとれなくなる」といった不満や批判の声が続出しています。

 楽天のように情報通信技術やデータを活用して第三者にサービスの「場」を提供する者をデジタル・プラットフォーマーと呼びます。個人情報を利用した広告などで、爆発的に成長しています。デジタル・プラットフォーマーによる個人情報の不適切な取得・集積や市場の独占化が問題となっています。

 楽天は本紙の問い合わせに対し「本ルールを導入することで、ユーザーの利便性があがり、楽天市場全体の流通や店舗新規の数が上がると考えている」と回答。あくまで「送料無料ライン」の導入を進める考えです。

 独禁法を所管する公正取引委員会は、ネットを利用した取引では契約条件やルールの一方的押し付けなどの問題が生じるおそれがあることに警戒感を強めています。

「通知」一方的 公取は調査を

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(写真)岩渕友参院議員

 岩渕友参院議員の話 今回の楽天の「通知」は相手の意見も聞かない一方的なものです。出店する中小・小規模事業者は受け入れざるを得ないことが多く、その負担は大きいものです。公正・公平な市場環境があってこそ、一般消費者の利益を確保することができます。公取委は調査すべきです。


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