しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年10月21日(月)

序盤論戦を見る

消費税増税

論拠総崩れ 5%減税こそ

 臨時国会は衆参両院での各党代表質問、安倍晋三首相ら全閣僚出席の予算委員会の質疑を終えました。序盤の論戦をシリーズで検証します。


 消費税10%増税を強行した政府の根拠は、日本共産党の論戦で総崩れになりました。「消費税は廃止をめざし、緊急に5%に減税を」の方向こそ、日本経済を立て直す道です。

■富裕層減税穴埋め

写真

(写真)質問する大門実紀史議員(16日、参院予算委)

 消費税導入から31年。政府は「社会保障のため」「財政健全化のため」と繰り返してきました。ところが、消費税導入後、国と地方の借金は4倍以上に膨張。社会保障は改悪の連続でした。

 8日の衆院本会議で志位和夫委員長は、導入後の消費税収累計額(397兆円)と法人3税の減収累計額(298兆円)、所得税・住民税の減収累計額(275兆円)を示し、消費税が大企業・超富裕層減税の穴埋めに充てられてきた事実を明らかにしました。

 小池晃書記局長は9日の参院本会議で、安倍内閣が10%増税の根拠にする「大学無償化」のごまかしや、安倍政権が狙う75歳以上の医療費窓口負担増を批判しました。

 消費税が「社会保障のため」でも「財政健全化のため」でもなく、大企業・富裕層減税の穴埋めに使われてきたことは明白です。

■経団連の思惑通り

 麻生太郎財務相は16日の参院予算委で、大門実紀史議員の質問に答えて、所得税・法人税などの直接税と消費税などの間接税の比率(直間比率)が、消費税導入前の「『8対2』から『67対33』になってきた」と認めました。「直間比率の見直し」は、1980年代後半から財界・経団連が強く求めてきたことでした。

 「直間比率が2対1になった結果、経団連の思惑通り大企業は巨額の内部留保を積み上げ、富裕層は資産を増大させた」とその実態を示し迫った大門氏。財界の強い思惑のもとで消費税が導入・増税され、日本の税制がゆがめられてきたことが浮かび上がりました。

■対策十二分も破綻

写真

(写真)質問する宮本徹議員(11日、衆院予算委)

 安倍首相は、消費税率5%から8%への増税が景気を悪化させた事実を認めながら、今回の増税では「(消費の落ち込みに対する)十二分の対策を実施している」と繰り返しています。

 政府が目玉対策として導入したキャッシュレス決済によるポイント還元はどうか。

 11日の衆院予算委で宮本徹議員は「決済手数料を持っていかれると生活できない」との中小商店の切実な声を紹介。同対策への参加店舗が1~2割にとどまるなど、中小企業支援策としてすでに破綻している実態を示しました。

■野党足並みそろえ

 導入・増税の根拠が軒並み崩れた消費税。日本共産党は、消費税廃止をめざすとともに「緊急に5%に減税すべきだ」と安倍政権に迫りました。

 立憲民主党の枝野幸男代表も7日の衆院本会議で、「法人税や富裕層の所得税など、抜本的な強化、見直しを図るべきだ」と主張。他の野党議員も「この時期に増税が本当に必要だったのか」(国民民主党・矢田わか子参院議員、15日)と追及するなど、足並みをそろえて10%増税強行を追及しています。


pageup