2019年10月13日(日)
つながって性暴力「ノー」
フラワーデモ 各地で
「性暴力を許さず、声を上げよう」とフラワーデモが11日、全国各地で開かれました。
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青森・弘前
青森県弘前市では、1カ月前の初開催デモに参加した数人が「ぜひ2回目もやりましょう」と連絡を取り合いました。
弱い雨が降る中、JR弘前駅前に集まった9人。花と「性暴力被害者が守られる社会へ」「#WITH YOU」と書いたプラカードを手にスタンディング。「性暴力を許さない。一緒に声を上げませんか」と市民に呼びかけました。
花のコサージュを胸につけた女子高校生(17)、花柄のスカートで連帯を表現した女子大学生(19)、レインボーフラッグを掲げるLGBT(性的少数者)当事者(40代)など、初参加の5人も「誰もが安心して生きられる社会にしよう」と声を上げました。
「一人でも実行しようと心に決めていた」と語る呼びかけ人の女性(46)は笑顔で「同じ思いを持つ新しい参加者が増え、とてもうれしい。被害者を一人にしないためにも継続して支えたい」。
長野
長野市では小雨の中、約20人が参加し、「性暴力を許さない」とのメッセージを道行く市民に訴えました。
主催者は県内在住の女性(53)。全国各地の行動に呼応し、長野でも「自分からやろう」と6月から毎月取り組み、ツイッターで参加を呼びかけています。今回は、デモを報じた地元紙の記事を読んで来た人や大学生らが駆け付けました。
主催者の女性は「性暴力を含め、ハラスメントは人権に関わること。それを忘れないで」とあいさつ。参加者の女性は、性暴力の被告への無罪判決が続くことについて「刑法が古いという問題がある。この刑法を変える運動に、当事者の人たちも加わってほしい」と語りました。
参加者はバラ、マリーゴールドの花や「不当判決を許さない」「#黙らない」などのパネルを手にスタンディング。洋楽のBGMを流し、リズムに合わせて体を揺らしながらアピールしました。
岐阜
JR岐阜駅前の信長広場には十数人が集まり、「#MeToo #WithYou」と書かれたプラカードや色鮮やかな花を手に、性暴力と相次ぐ性犯罪の無罪判決に抗議の意思を示しました。
岐阜での開催を企画した女性(31)は「いやらしい言葉をかけられたり、胸を触られたりしてきました。ツイッターでフラワーデモのことを知り、同じ性的被害を受けている人がまわりにたくさんいることを知り、自分の体験を語ることで気持ちをわかり合える人がいるはずだ」と、デモを呼びかけたときの決意を語りました。
参加した女性(35)=介護士=は「SNSを通じて知り合いの2人に1人が性的被害を受けていることがわかった。国や社会が変わらないといけないと強く思った」と訴えました。
福岡市中央区
福岡市中央区の繁華街・天神で開かれました。福岡では5月から始まった行動は、今回では、約30人が花を手に参加し、スピーチとサイレントスタンディングを行いました。
集会で性暴力の体験を話したヨモギさん(40代)=仮名=は、行動に参加する思いを「一人じゃないと感じられる。お笑い番組やインターネット上で、性犯罪がギャグのように扱われていると絶望しかない。フラワーデモでは、誰からも笑われず非難されず、尊重されて話ができる」と語りました。
呼びかけ人の一人で臨床心理士の黒瀬まり子さんは「参加者は増えている。多い時は50~60人が集まるようになっている」と話し、「性暴力について語ることが、社会のタブーでなくなってほしい。法の改正なども必要だが、社会の一人ひとりに性暴力への認識が浸透していってほしい」と強調しました。
那覇
沖縄県では那覇市の県庁前で、「被害者がおびえずに生きていける社会を」「もう黙らない」などとアピールしました。
仕事で沖縄を訪れていた東京在住の被害者の男性(53)が発言。以前、沖縄で活動する女性から「被害者に年齢も性別も関係ない」「あなたは私たちの仲間」と声をかけられ、「止まっていた人生を歩き出せた」ことを紹介。以来、沖縄へのデマやヘイトを許さない活動を続けてきました。
沖縄のフラワーデモに参加するのは2回目という男性(47)は「次々と発言する姿を見て刺激を受けた。自分も次回以降に発言できたらいいと思う。地味なようでも、声が広がっていくことで世の中を変えていけるのではないか」と述べました。