2019年10月10日(木)
複数税率の混乱直視せず
公明代表の自画自賛にどよめき
公明党の山口那津男代表は9日の参院本会議での代表質問で、同党が実施を主導した複数税率について、「消費者からは『助かる』といった率直な声をいただき、日常生活に大きな安心感を与えていると実感した」と自賛しました。
事業者からは「しっかり準備をしていたので混乱なくスタートできた」との声もあったという同氏。複数税率対応レジなど「早めの準備を進めたところは、おおむね円滑に実施されていることが確認できた」とも誇りました。
他方で、対応するレジが行き届いていないことを認めて導入促進を政府に要請。納税・申告の混乱を見据えて「税務署の体制強化など万全を期して」と求めました。
消費税10%への増税とともに導入が強行された複数税率は、キャッシュレス決済のポイント還元制度と合わせると税率が5段階にもなり、事業者と消費者に大きな混乱を生みだしています。「共同」世論調査(5、6両日に実施)では、複数税率について82・4%が「複雑だと思う」と回答し、キャッシュレス決済を増やすかという問いには、61・2%が「そう思わない」としています。
「都内のスーパーを視察し、実際に声をうかがった」として「円滑な実施」を強調した山口氏ですが、あまりに現実をみない発言に、野党席から大きなどよめきが起きました。