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2019年10月10日(木)

ノーベル化学賞 吉野彰氏

リチウムイオン電池開発

米の2氏も

 スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を開発した、吉野彰(あきら)旭化成名誉フェロー(71)と、米ニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガム博士、米テキサス大学のジョン・グッドイナフ博士の3氏に贈ると発表しました。(関連記事)

 リチウムイオン電池は、充電可能な2次電池。小型・軽量で長寿命であるほか、メモリー効果(完全に放電する前に充電すると起電力が低下する現象)がないのが特徴。携帯電話やノートパソコン、電池自動車などに広く普及し、情報化社会の急速な実現を支えています。

 吉野氏は同アカデミーでの電話インタビューで、気候変動のもとでの持続可能な社会への貢献、好奇心の大切さに言及しました。

 ウィッティンガム氏は1970年代に基礎となる研究を進めました。グッドイナフ氏は実用化のカギとなった正極材料(コバルト酸リチウム)を発見。それらの成果をもとに、吉野氏は85年、リチウムイオン電池の実用化に成功しました。

 日本のノーベル賞受賞者は28人目(米・英国籍の3氏を含む)。化学賞は2010年の根岸英一、鈴木章の両氏以来で8人目。

 吉野氏は1948年生まれ。工学博士。京都大学工学部卒。72年、旭化成に入社後、商品開発グループ長などを経て、17年から現職。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれます。賞金総額は900万スウェーデンクローナ(約1億円)。3氏に3分の1ずつ贈られます。


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