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2019年9月26日(木)

怒 消費税10% 私はあきらめない

増税ノー 最後まで

 安倍政権が10月からねらう消費税10%に対し、“増税なんてとんでもない”との声が各地で上がっています。住民生活を支えてきた零細業者や医師は“地域も営業も壊す”と訴えています。(青柳克郎)


東京・八王子 食堂店主 大村佳溢(よしみつ)さん 税金が店をつぶすのか

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(写真)大村佳溢さん

 食堂を営んで半世紀以上になります。消費税が導入されて以来、一切、お客さんに転嫁しないできました。しかし負担は限界で、10%になったら値上げを考えざるをえません。

 食堂の場合、米や肉、魚、野菜などの食材の仕入れにかかる消費税は8%です。しかし、それらの生産コストや輸送費には消費税が10%かかります。どのくらいの負担増になるか、読み切れない。割りばし、酒類扱いされるみりんのように税率が10%のものもあり、経費の処理も非常に複雑になります。

 飲食店の中には、売り上げの大半を出前が占める店もあります。出前は軽減税率が適用され、税率8%です。ガソリン代をかけて配達したほうが、お客さんから受け取る消費税は少ない。大変な矛盾で、経営者は悩んでいます。

 私は八王子民主商工会で活動していますが、中小業者は高齢化が進んでおり、増税を機に廃業しようか、という声も多く聞きます。税金によって店がつぶされるなどということがあっていいわけがない。増税中止を最後まで訴え続けます。

三重県保険医協会副会長 歯科医師 梅村忠司さん 地域の医療に大打撃

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(写真)消費税10%ストップ国会内集会で発言する梅村忠司さん=12日

 医療機関は、医薬品や器材、材料の仕入れには消費税を支払いますが、診療代には消費税はかからないため、患者さんから消費税をもらうことはできません。消費税は、実質的に医療機関が負担する「損税」になっています。現在の8%でも、1歯科医院あたりの負担は平均で年70万円にもなっています。

 公的医療保険から受け取る診療報酬や薬価などは引き下げられ続けています。現在、歯科用の金銀パラジウム合金など歯科医療の材料が高騰しており、例えば奥歯に金属冠をかぶせれば1000円ほどの赤字になります。

 歯科医院は安全性を確保しつつ、血がにじむような経費節減の努力をしています。これ以上、医療機関の負担が増えるのであれば、医療の水準が低下することになりかねません。中小の医療機関にとっては存続の危機です。

 歯科医院などは、患者さんの近所にあることが大事なのです。消費税10%は、地域の医療に大打撃を与えます。

 消費税は大企業にはさまざまな優遇策があります。この不公正は許せません。「10%はやめよ」と、患者さんと一緒に声をあげ続けていきます。


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