2019年9月24日(火)
NYから「命どぅ宝」
沖縄戦体験者 新基地反対訴え
デモに数百人
|
【ニューヨーク=池田晋】国連総会へ世界の首脳らが集結する中、ニューヨーク市内で22日、米国の主要な反戦・市民団体らが連携して、「戦争体制をやめ地球を守る国民決起」と題した集会とデモ行進を行いました。4歳の時に沖縄戦を体験した沖縄県民間大使の、てい子・トゥーシーさん(78)=名護市出身・ニュージャージー州在住=が「命どぅ宝」の心で辺野古新基地建設に反対する思いを訴えました。
この行動は、米国の軍事主義への反対とともに地球温暖化の阻止も同時に掲げるもので、米政府に▽核兵器禁止条約への署名▽イラン核合意・パリ協定への再加入▽海外基地閉鎖―などを要求。反戦・平和団体に、気候正義や社会正義を訴える市民団体も加わり、数百人が参加しました。
トゥーシーさんは沖縄戦の中、父は降伏より自死を選んだものの、父から手りゅう弾を手渡されていた母は「命どぅ宝」で生きる道を選び、今の自分があると告白。1964年に渡米し、今では米市民権を持つものの、「私のアイデンティティーは故郷の沖縄だ」と語り、日米両政府が県民の権利を抑圧してきた歴史を紹介しました。
2月の県民投票では、72%が辺野古新基地に反対しながら日米両政府は民意を無視し続けているとし、「われわれにはみな安全に、強く、自由に生きる権利があるはずだ」と強調。聴衆から応援の声があがりました。
反戦団体「ANSWER連合」のケイ・プリッツァーさん(23)は、この行動が「温暖化と戦争という人類の存亡を脅かす二重の危機に抗するものだ」と指摘。ニューヨーク市に住む東由佳さん(56)は、「世界一の温暖化ガス排出者が米軍だと、温暖化と戦争の問題のつながりを多くの人に伝えていきたい」と話しました。
参加者はニューヨークの中心街で「今こそグリーン・ニューディールと平和の実現だ」などとコールしながら国連本部の前まで行進しました。