2019年9月21日(土)
国立大学費 新制度で2.4万人支援額縮小
畑野氏、制度維持を要求
文科省が方針
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来年4月から導入される低所得世帯を対象とした高等教育の修学支援制度では、現行の国立大の授業料免除や減額の対象になっていた学部生の半数以上にあたる2万4千人が、支援が受けられなくなったり、支援額が減少することが20日、文部科学省の調査でわかりました。
国立大の授業料の減免制度は中所得世帯も対象にしていますが、新制度では住民税非課税世帯とそれに準じる世帯に限られるためです。
文科省は2020年度の新入生からは学部生の定員に応じて授業料を減免するための予算を廃止する方針であることを初めて明言しました。
文科省の調査によると、現行で授業料が全額または一部免除されている国立大学学部生は4万5千人。このうち新制度の導入で同額以上の支援が受けられるのは2万1千人のみです。1万1千人の支援額が減少し、1万3千人は支援が受けられなくなります。
現在、授業料の減額や免除を受けている学部生については「各大学の対応をふまえて、何らかの配慮ができないか検討する」(文科省)としています。
大学院生については、新制度の対象外のため、現行制度を維持する方針です。
日本共産党の畑野君枝衆院議員は同日、国会内で同省の淵上孝国立大学法人支援課長に「現行の免除制度を廃止することは国会で明言していない。現行の免除制度への予算を維持すべきだ」と要望しました。