2019年9月20日(金)
政治を足元から変える 未来公共の2年半(中)
8月15日をもって活動に一区切りをつけた未来のための公共(未来公共)。メンバーの浅野恵実里さんと谷虹陽さんの2人に、これまで行動してきた思いを聞きました。
声が未来をよりよく
浅野恵実里さん
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未来公共のデモに参加するまで、デモって年上の人ばかりが参加していて近寄りがたい印象でした。同年代が声をあげているなんて思いもしなかったので、大学1年生の時に国会前へ行ったらびっくりしました。
少ししてから、メンバーとして活動するようになったのですが、最初は知識があるわけでもなかったし、参加するならまだしもデモを呼びかけるなんか絶対にできないと思っていました。
でも、意外とできたんですよ。自分も含めて、行動するといろんな人が集まってくるので、みんなで力をあわせれば大丈夫です。私は、主にスピーチをしたり、サウンドカーやステージの飾り付けをしたりしていました。
声をあげることを、難しく考えないことが大切だと思います。もし行動しようと考えている人がいるならば、できることをやればいいんだよって伝えたいです。
いま就職活動で大忙しなのですが、ジャーナリズムに関心があるので、報道に携われないかと頑張っています。政治や社会問題はもちろん、多彩なテーマに関われる仕事ができたらなと思っています。
今の日本は、堅苦しい社会だなと感じています。学生から社会人になるまでに、一つでもうまくいかないことがあればもうダメ、みたいな。おかしいですよね。誰もが好きなことをして、自分らしく生きたい。
声をあげることは、よりよい未来をつくるために私たちができる大切な手段だと思います。これからも、私はできることだけをやっていきます。
デモが政治動かした
谷虹陽さん
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初めて参加したデモが未来公共の呼びかけた国会前抗議(2017年3月)でした。同世代の人がコールやスピーチをしている姿を見て、自分も何かしなければと感じて、何度か参加した後にメンバーになりました。
当初は、今の政治に対して「何もしないよりかはましだ」という気持ちでした。行動するなかで、デモや抗議は思っていた以上に効果があると実感しました。ある問題を可視化することでメディアなどに取り上げられ、多くの人がその問題を知るきっかけになり、世論を受けて政治が動く。デモは大切です。
慶応大学に通っていますが、慶応生が起こした性犯罪をきっかけに、大学側に対策を求める署名活動やシンポジウムを学内で開催しています。他大学の学生とも協力しながら、この問題には今後も取り組んでいきます。
安倍政権が続くなかで、社会に閉塞(へいそく)感が広がっていると感じています。とりわけ女性、マイノリティー、特定の民族の人たちにそのしわ寄せがいっている。社会のさまざまな場面でこうした問題が起きていると思うので、そうした偏見や差別をなくしていきたいです。
将来は研究者の道に進みたいと考えていて、これからは学問に専念しようと思っています。しばらくはデモに参加する頻度は減ってしまうかもしれませんが、政治や社会についてかかわらなくなるわけでは決してありません。
大変なこともあったけれど、貴重な経験ができました。いつでも、誰でも始められるし、疲れたら休むこともできます。さまざまな人が、ぜひ声をあげてほしいです。