2019年9月18日(水)
原発事故 自主避難を「国土への不当な評価」
国が暴論「損害認めぬ」
群馬訴訟控訴審
東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民が東電と国に損害賠償を求めた群馬訴訟の控訴審の第7回口頭弁論が17日、東京高裁(足立哲裁判長)でありました。損害論について原告側と国側が書面で主張しました。
国側は準備書面で、政府による避難指示区域外からの自主避難者について、2012年1月以降の避難継続の相当性を肯定して損害発生を認めることは「(避難指示区域外に)居住する住民の心情を害し、ひいては我が国の国土に対する不当な評価となる」から「容認できない」と主張しました。問答無用で国に従えといわんばかりの暴論です。原告側弁護団が明らかにしました。
この日は福島県本宮市から群馬県高崎市に避難した40代の原告男性が意見陳述。福島第1原発1号機の水素爆発を受け2011年3月13日に妻と2歳の長男を高崎市の妻の実家に避難させ、自分は翌年8月に福祉関係の仕事を辞めて避難しました。男性は「原発事故は生活を一変させた」と述べ、周辺住民にもさまざまな苦痛を与えたとして、「自分より悲惨な思いをした人もいる。被害の現実を理解してほしい」と訴えました。
弁論後の進行協議で、足立裁判長は、現地視察を行うとし、日時や場所については今後、打ち合わせる予定です。次回は11月5日です。