2019年9月17日(火)
官民一体の迫害が蓄積
関東大震災朝鮮人虐殺 記憶する集会
1923年9月の関東大震災で起きた朝鮮人虐殺の事実を記憶していこうと15日、東京都内で集会が開かれました。記念講演した法政大学社会学部の慎蒼宇(シン・チャンウ)教授は、虐殺が官民一体で行われたことを指摘し、その責任を被害者側の視点で問う必要性を強調しました。
慎氏は、大震災時の関東戒厳司令部に、朝鮮での義兵戦争や三・一独立運動などで虐殺、弾圧を指揮してきた人物がいたことを詳細な資料を使って説明。また全国の歩兵連隊が朝鮮に駐留し「暴徒討伐」などに参加した経験があると述べ、関東での朝鮮人虐殺をはじめ地方にも流言が広がり事件が起きたことは、「偶然でも天災でもない。植民地支配を通じて、官民一体の迫害経験・正当化論の蓄積で起きたものだ」と告発しました。
さらに、日本の責任が現在も問われていないことに言及。慎氏は帝国主義時代の「植民地戦争」は、植民地にする側と植民地にされた側の両者をとらえ考える必要があると述べ、「植民地支配の過酷さ、正義を問うには、された側からみなければいけない。その前提は常に(植民地支配の)不法性がなければならない」と強調しました。
集会は、「1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動」発足の集いとして開かれ、宣言文を発表しました。2023年には虐殺から100年を迎えることを受け、植民地支配による加害と被害の歴史を清算し、日本と朝鮮半島の真の友好を築くための行動を開始すると述べました。