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2019年9月14日(土)

きょうの潮流

 国旗と同じく軍艦旗は、対外的には帝国の主権を代表する最も権威のある大切な旗である―。戦前に海軍中将が著した『国旗と軍艦旗』のなかにこんな記述があります▼この冊子は国旗への尊敬を高めるとともに、「陛下の御影」である軍艦旗=旭日(きょくじつ)旗にも同じ気持ちで接するよう、国民に求めています。同時に神聖かつ尊厳なる旗が掲揚された軍艦は、その国の領土の延長とみなし一切の外国法権に服従しないとも▼朝日の光をかたどった旗の由来はどうであれ、旭日旗が日本の軍旗や軍艦旗として使われてきた歴史は紛れもない事実です。それはアジアの人びとの記憶に日本軍による略奪や虐殺、支配や侵略の象徴として植えつけられました▼いままた、痛ましい過去を背負った旗が国際問題の火種になっています。韓国が東京五輪・パラリンピックの会場に旭日旗の持ち込みを禁じるよう求めたのに対し、組織委は容認。橋本聖子五輪相も問題ないとの認識を示しました▼「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」は禁止。国際サッカー連盟がそう定めるように、スポーツの現場ではすでにルールが確立しています。「侵略された国家の苦痛の記憶を刺激する」(韓国文化体育観光委)旗が、挑発行為にあたることは明らかです▼この問題について、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は「日本は旭日旗が韓国人の心にどんな影響を与えるか繊細に考慮するべきだ」と。こうした声に耳を傾け、平和を喜び合える祭典にすることこそ、開催地の責任でしょう。


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