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2019年9月13日(金)

きょうの潮流

 お母さんが話しかけても、お父さんはテレビ、息子は音楽、娘はスマホに夢中。よくある家族の日常がある日一変します。突然、電気がなくなり、ガスや水道までも。果たして家族は―▼おととし公開された映画「サバイバルファミリー」です。矢口史靖監督は「だれもが自分の身に降りかかるかもしれないと思ってもらえたら」と話していました。生き抜くためだけの日々。それは今でも現実に起こりうると▼「つらい」「どうしようもない」。千葉県の広い地域でつづいている停電や断水、飲食の不足や通信障害。手だてのなさに住民は悲鳴を上げながら、水や食料を求め、給油にも列をつくっています。時はたっても状況は改善するどころか悪化しているという町も▼各地で道が封鎖され、移動も困難に。屋根が飛ばされ、シートで覆っている家も多い。体調を崩す人が増え、電波が届かずにSOSの声さえ上げられない人もいます▼直接の原因は最強クラスの台風ですが、何度も記録的な雨や強風に襲われ災害が相次ぐなか、もはや想定外では済まされない問題です。東電は見通しの甘さを口にしましたが、日頃から危機管理や国土強じん化をいいながら対応できない政府にも重い責任があります▼原発事故で経営が厳しくなった東電が送電関係の設備投資を抑えたことも原因の一つにあげられています。命綱を意味するライフラインが何日も止まる恐怖。それを現実にしてしまう電力会社や政府に身をゆだねる危うさにもつながっています。


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