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2019年9月7日(土)

辺野古 大地震想定なし

政府 新基地地盤工事 甘い基準

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(写真)軟弱地盤が広がる大浦湾=6月6日、沖縄県名護市(小型無人機で撮影)

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て区域のうち、大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事をめぐり、政府は東日本大震災や阪神・淡路大震災級の大規模震災を想定していないことが分かりました。埋め立て区域には活断層の存在も指摘されており、甘い想定に批判が広がりそうです。

 国土交通省が昨年6月にまとめた護岸の耐震に関するガイドラインでは、「供用期間中に発生する可能性が高い」地震動を「レベル1」、「最大規模の強さを有する」ものを「レベル2」に定め、南海トラフ地震を具体例としてあげています。

 これに関して、防衛省が民間業者に委託して今年1月にまとめた報告書『地盤に係る設計・施工の検討結果』では、辺野古新基地の設計震度を「レベル1」に設定。「レベル2」は想定していません。また、最大加速度は約40ガルとしています。

 一方、1995年の阪神・淡路大震災では約800ガル、2011年の東日本大震災では、最も強い地点で約2800ガルを記録しました。前出の国交省指針では阪神・淡路大震災を受け、「二段階の地震動レベルに対して、施設の重要度に応じた耐震設計を定め」る方向へ変化したと記述。現在、羽田空港など主要13空港は「レベル2」に対応しています。

 岩屋毅防衛相は6日の記者会見で「日本港湾協会の基準では、レベル1地震動に対応した設計をすべからく行っている。この基準に沿って進める」と述べ、現行方針通り進める考えを示しました。

 辺野古で活断層の調査を行ってきた立石雅昭・新潟大名誉教授は「沖縄県は、琉球海溝でも巨大地震が起こりうることを想定して、辺野古周辺の最大震度を6と推定している。一方、防衛省の想定だとせいぜい震度4にとどまる。何を根拠に『レベル1』で大丈夫だと考えているのか全く分からず、あまりにも過小な想定といわざるをえない」と指摘します。


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