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2019年8月26日(月)

19年度国保料 大都市圏に値上げ集中

大阪9割・東京6割の自治体

安倍政権が圧力

 高すぎる国民健康保険料・税が、2019年度も大都市圏を中心にさらに高騰しています。各市区町村の19年度改定料率をモデル世帯で計算すると、全市区町村の動向が分かった32都府県のうち大阪府は9割、東京都は6割、広島・神奈川両県は5割にのぼる自治体で値上げされたことが分かりました。国民生活を無視して大幅・連続値上げを迫る安倍政権と、国言いなりの自治体の姿勢が鮮明になっています。


図

 調査は日本共産党がおこなったもので、「給与年収400万円・4人世帯(30代夫妻と子2人)」をモデルに集計しました。

 安倍政権が18年度から実施した「国保の都道府県化」で、市区町村に大幅・連続値上げの圧力をかけるなか、18年度は全体の31%・約540の市区町村でモデル世帯が値上げされました。

 今月中旬までの調べで19年度の改定状況が分かった1560自治体のうち、値上げしたのは431自治体。18年度と同様に全体の約3割(27・6%)を占めており、半数近い約200の自治体は2年以上の連続値上げを強いています。

 全市区町村の状況が分かった32都府県のうち、値上げした自治体数の割合が断トツで多いのは大阪府。43市町村のうち90・7%の39市町にのぼりました。田尻町の値上げ幅が府内最大で、年4万円増の45万5千円に。松原市の年額が府内最高で、1万1千円増の47万3千円になりました。

 大阪府の次に、64・5%にあたる40市区町村が値上げした東京都、同52・2%の広島県、51・5%の神奈川県―と続いています。東京都では、千代田区をのぞく22区が10年連続の値上げを強行しています。

 「給与年収240万円の単身世帯」のモデルで計算しても、全体は同様の傾向で、大阪府や東京都を中心に3割近い約415自治体が値上げしました。大都市圏は人口が集中しており、多数の加入者世帯に値上げが直撃したとみられます。

 国保加入者は、非正規雇用の労働者や退職後の高齢者が大半を占めています。加入者の貧困化の一方で国が国庫負担金を減らし続けたため、国保料は冒頭の4人世帯の場合、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの保険料より2倍以上も高騰している自治体が各地に生まれています。

 国民生活を守るためにも、不平等・不公平な現行制度を正すためにも、国庫負担金の大幅増額で国保料を抜本的に引き下げる道へとかじを切る時です。

 (松田大地)


 国保の都道府県化 国保財政の運営責任を市区町村から都道府県に移すもので、18年度から実施。市区町村に対して、独自の国保料軽減などをやめさせるため、都道府県が市区町村に示す「標準保険料率」に合わせた値上げへと誘導する仕掛けを設けています。


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