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2019年8月6日(火)

米大統領選へ民主党討論会

進歩派対中道派

国民皆保険めぐり激論

 7月30、31の両日、米中西部デトロイトで、2020年の大統領選挙の民主党候補選出に向けた討論会で、サンダース、ウォーレン両上院議員ら進歩派と中道派が医療保険制度をめぐり激論を交わしました。(ワシントン=遠藤誠二)


「ビジネスでない制度を」 「民間を除外は良くない」

 CNNテレビ司会者のタッパー氏が、サンダース候補らが打ち出した公的な運営による国民皆保険制度(メディケア・フォー・オール)について質問。別の候補者のディレイニー元下院議員が、民間保険会社を除外するもので「良くない制度」だと言っていると水を向けると、サンダース氏は、「それは間違っている」と反論しました。

 サンダース氏は、米国には機能不全の医療保険制度しかなく、8700万人が無保険か十分な保険を受けられず、毎年50万人が保険の支払いにより破産している実態を告発。「保険会社が大もうけをするなか、(毎年)3万人が亡くなっている」「デトロイトから5分ほどいった隣のカナダでは、すべての人に医療が保障されている。医療は人権だ。私は実現に向けてたたかう」と述べ、聴衆から喝采を受けました。

 一方、ディレイニー氏は執拗(しつよう)に「メディケア・フォー・オール」を攻撃。「このなかで私が唯一、医療保険ビジネスの経験を持っている。失礼ながら、私の討論仲間ら(サンダース氏ら)はこのビジネスを理解していない」と発言しました。これに対してサンダース氏は、「医療はビジネスではない」と一刀両断に返し、「われわれの仕事は(民間保険会社がやらない)利益をあげない医療保険制度を運営することだ」と断言しました。

 ディレイニー氏ら一部中道派の批判にウォーレン候補も応戦。「保険会社が何をしてきたのか? 医療保険制度から数百億ドルもの大金を吸い上げた。人々は(それぞれのケースで)保険が適用されるためたたかうことを余儀なくされてきた」と語りました。

「どの国でも行っている」 「過激主義では勝てない」

 タッパー氏は次に、ヒッケンルーパー候補(コロラド州前知事)が、「社会主義が答えではない。過激主義ではトランプを負かせない」と述べていることについて質問。ヒッケンルーパー氏は、進歩派による「メディケア・フォー・オール」や気候変動対策の「グリーン・ニューディール」を攻撃し、これではトランプ氏に勝利をもたらすと主張しました。

 サンダース氏は、「どの世論調査でも私がトランプを負かしている」と明確に反論。「メディケア・フォー・オールは過激政策ではない。実際に地球上の米国以外のどの国でも行っていることだ」と主張し拍手を浴びました。

 ウォーレン氏は、「これができない、このためにはたたかわないと言いながら米国の大統領選に立候補しているのが理解できない」と一部中道候補を批判。「米国の最大の問題は、巨大企業が政府を乗っ取り、首根っこを押さえていること。これに反撃する勇気を持たなければいけない。私の準備はできている」と決意を込めました。


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