2019年8月3日(土)
日韓関係 歴史を学び未来構築を
交流進めてきた市民
在野で日韓交流や歴史認識の共有を進めてきた人たちの思いを聞きました。
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日・中・韓共同編集の歴史教材を編集してきた日朝協会の俵義文事務局長は「閣議決定は『徴用工』『慰安婦』問題を含めた報復だといえる。政治的課題を経済・貿易問題に持ち込む筋違いのやり方だ。こんな強硬姿勢を続ければ日本製品の不買運動や韓国からの観光客減、青少年らの交流のキャンセルが広がる恐れがある」と事態を憂います。「安倍政権には植民地支配の責任についての正しい歴史認識を持ち、外交的な話し合いの席に着くことを求めたい」
戦前の歴史の学びや戦跡をめぐる韓国の旅を行い、民間レベルでの日韓交流を深めてきたのが、山形県の基督教独立学園高等学校です。7月末に生徒たちと訪韓した後藤正寛校長は「日本大使館前でデモ行進が行われていたが、姉妹高校のプルム学園農業技術高等学校では温かく迎え入れられた」と話します。
日韓両国で「徴用工」「慰安婦」問題を含めた歴史を知り、未来を構築すべきだという後藤校長。「姉妹高校とはお互いに今後も生徒や職員間で交流を実らせていくビジョンを持っている。平和についても学び合い、広めたい。歴史問題については国家レベルの話し合いと同時に、一般レベルでも率直に話し合い、つながりを太く広げて深めていくことが大事だ」
強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワーク事務局長で日本製鉄元徴用工裁判を支援する会の矢野秀喜さんは「ホワイト国」除外の閣議決定について「食料品と木材以外の全品目に規制をかけることが可能で影響が大きい」と危惧(きぐ)します。「こうした対立のなかで強制労働の被害や実態、解決への議論がかすんでしまうことが心配。ホワイト国除外を撤回し、冷静な2国関係に戻して話し合いを進めてほしい」とのべました。