2019年8月1日(木)
三鷹事件再審認めず
東京高裁 死刑追認の不当決定
弁護団、異議申し立てへ
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東京都三鷹市の旧国鉄中央線三鷹駅で1949年、電車が暴走し6人が死亡するなどした「三鷹事件」で、電車転覆致死罪で死刑が確定した竹内景助さん(45歳で獄死)の第2次再審請求で、東京高裁(後藤真理子裁判長)は31日、再審開始を認めない決定をしました。
後藤裁判長は弁護側が提出した新証拠について、「自白の根幹部分の信用性を否定しない。無罪を言い渡すべき明らかなものではない」などとしました。弁護団は「不当決定」だとして、東京高裁に異議申し立てをする方針を明らかにしました。
弁護団の高見澤昭治団長は、決定は「確定判決を追認した」ものであり「あまりにもひどい」と批判しました。
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確定判決では、竹内さんが三鷹駅の車庫から電車を発進させ、運転席から飛び降りたとしています。弁護団は再審請求で、直接証拠は竹内さんの自白のみであり、自白通りであれば単独の電車走行は不可能だとする鉄道工学専門家の鑑定書などを出し、数々の事実を示しました。2011年の再審請求時から7年間で65点の新証拠を提出しています。
弁護団は、決定は提出した多くの新証拠について「まったく触れられていない。逃げている」と指摘。高見澤団長は「70年経て、裁判所は占領下時代と変わらないのかと恐ろしい思いがする」と訴えました。
東京高裁前には支援者らが集まり、不当決定に落胆と怒りの声を上げました。
「三鷹事件の真相を究明し、語り継ぐ会」事務局の石塚勝さん(79)は「期待したが裏切られた。非常に嘆かわしいですが、これからも間違いを正していきたい」。同会代表世話人の古川啓さん(66)は「まったく道理が通らない決定です。おかしな裁判はやり直すのが司法の任務です」と訴えました。
『三鷹事件の真実にせまる』の著者で元日本共産党中央委員の梁田政方さん(91)は「日本の裁判、民主主義の根幹が問われる決定です。日本の司法を根元から変えなくてはいけない」と話しました。