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2019年7月30日(火)

“成果を確信に”“悔しさをバネに”

全国都道府県委員長会議

小池書記局長の報告

 小池晃書記局長が29日の全国都道府県委員長会議で行った報告は次のとおりです。


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(写真)報告する小池晃書記局長=29日、党本部

 参院選挙での昼夜をわかたぬ猛奮闘に心から敬意を表します。候補者を先頭にした全党の頑張りと、「赤旗」読者、後援会員、サポーターのみなさんのご協力に、この場をお借りして、感謝とお礼を申し上げます。

 ありがとうございました。

 今日の会議の主題は、常任幹部会声明の討議・具体化をすすめ、8月、9月の党員拡大を根幹とした党勢拡大にただちに打って出る、この意思統一をはかることです。

 最初に、参院選挙の成果を確信に7月から奮闘し、8月、9月、来るべき総選挙にむけて強く大きな党をつくる仕事にただちにとりかかることを訴えたいと思います。

常幹声明で「大健闘の結果」をつかもう

 常幹声明の五つの中心点、すなわち改憲勢力「3分の2割れ」の意義、政治局面を変えた市民と野党の共闘の大きな役割、比例での得票数・得票率が2017年総選挙から前進したこと、政治論戦でのリード、党の自力を強める切実な意義など、全体が正面から受けとめられています。「『最初は残念』の思いも出るけれども、『声明』を討議すると元気になる」というのが全国の討議の共通した特徴です。

 京都では、22日夜の報告集会に、党と後援会、市民の方々を含め、会場いっぱいの600人が参加しました。府委員会から常幹声明の内容を報告しましたが、冒頭「改憲勢力3分の2を阻止しました」と述べると、万雷の拍手がしばし鳴りやまなかったと聞いています。

 常幹声明が、あえて、冒頭に「改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割った」こと、この結果をつくるうえで市民と野党の共闘が決定的役割を果たした意義を述べたことは、今後のたたかいの展望をつかむうえで重要だと考えています。

 また、常幹声明が、「今回の参院選の比例代表で獲得した得票数・得票率を、この間の国政選挙の流れの中でとらえることが大切だ」と提起していることも、討議の中で重視していただきたい点です。

 討議では、比例で議席を減らしたことについて、残念だという気持ちも出されることは当然だと思います。しかし、そうした討議の中で、これまでの国政選挙の流れの中で今度の参院選の到達の意味を、大局的にとらえることが大事です。

 同志社大学大学院教授・浜矩子さんは、参院選後、自ら「赤旗」に次のメッセージを寄せてくださいました。

 「21日の参院選は、光と闇が交錯するツートーンの結果に終わった。だが、均等割りのツートーンではない。光3対闇1の図柄だ。…光3要素は、(1)『改憲勢力3分の2』未達(2)自民党議席の改選比9議席減(3)『1人区』での野党共闘10議席確保。共産党の手堅い善戦も、もう一つの光要素に加えていい。…光側の3要素はなかなかの輝きを放っている。『3分の2』を取り損ねたことは、闇側の面々にとって明らかな痛手だ」「自民党の改選比9議席減も、実は結構なショックだろう。闇の部分がゼロになる時。その時を目指して、我々光チームはさらに歩みを進める。決して歩みを止めることはない」

 選挙後も、こうした期待が多くの市民の中に広がっています。

 「自公勝利」「野党共闘伸び悩み」などの一面的なマスコミ報道があるもとで、常幹声明を急いで全党員に読んでもらい、全支部・グループが討議し、参院選の成果に確信をもって立ち上がることを重視しましょう。常幹声明を、市民と野党の共闘でともにたたかった方々、もちろん野党統一候補として奮闘された方々、当選した野党共闘の新参議院議員、さらに後援会員、支持者、サポーターのみなさんにも届けきって、じっくり懇談していくことをよびかけます。総選挙にむけての共同のたたかいをさらに発展させようではありませんか。

党勢前進の流れをきりひらこう

 そのうえで、常幹声明が最後に、今度の選挙戦では、全党の大奮闘によって多くの成果をつくることができたとしながら、同時に悔しい結果もあったと述べ、「成果を確信に、悔しさをバネに、“どんな情勢のもとでも前進できる力をもつ党”“共闘にとりくみながら党躍進にとりくむという二重の責任を果たせる党”をつくるための仕事に、新たな意気込みでのぞもう」と訴えていることを改めて強調します。

 この8月、9月、来るべき総選挙にむけて、強く大きな党をつくる仕事にただちにとりかかることを訴えたいと思います。

 現状では、2017年総選挙時比で、党員7300人減、日刊紙1万5千人減、日曜版7万7千人減とそれぞれ後退しています。当面、8月、9月に次のことを必ずやりとげ、党勢の前進の流れをきりひらくことをよびかけます。

 ――党員拡大では、すべての支部・グループが9月末までに1人以上の新しい党員を必ず迎える。あわせて新入党員の成長に責任をもつことを訴えます。新入党員教育のすみやかな修了と「3原則」(支部会議への参加、党費の納入、「赤旗」日刊紙の購読)にもとづく党生活を確立し、新しく迎えた党員が生きいきと活動に参加し成長できるようにしていきましょう。全都道府県・全地区が、毎月、労働者と若い世代を党に迎えることに執念を燃やしてとりくんでいきましょう。民青同盟の拡大と班活動の発展への援助を強めましょう。

 ――「赤旗」読者拡大ではこの7月から奮闘し、全都道府県・全地区が、この8月、9月は、読者を毎月増勢にすることをよびかけます。「タブーなく真実を伝える、国民共同の新聞」として、「赤旗」の役割はいよいよ大きくなっています。選挙後の後退を取り戻せずに次の選挙を迎えることを絶対に繰り返さないように、いまからとりくみを強めようではありませんか。

 今、強く大きな党をつくることは、選挙を通じて全党が共通して抱いた切なる願いだと思います。党員拡大を根幹にすえて新しい党員を思い切って迎え、党の世代的継承に成功してこそ、国民運動の発展も、市民と野党の共闘を支える党の役割の発揮も、そして来るべき総選挙での勝利・躍進も勝ちとることもできます。

 都道府県委員長のみなさんが、執念とイニシアチブを発揮し、強く大きな党をつくる仕事にのぞんでいきましょう。党中央もみなさんと心一つにありとあらゆる努力を強める決意です。

なぜ8月、9月に頑張ることが大事か

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(写真)全国都道府県委員長会議の討論=29日、党本部

 では、なぜこの8月、9月に党勢拡大で頑張りぬくことが大事なのか。三つの点でその意義を強調したいと思います。

党の自力の課題は最大の教訓

 第一に、常幹声明でも述べているように、党の自力をつける課題は、この参議院選挙の最大の教訓であるからです。その際、それぞれの党組織が、どれだけの宣伝・組織活動にとりくめたか、どういう党勢でたたかったかを、自らのたたかいに引き寄せて教訓を引き出すことが重要です。

 6中総決定は、「参議院選挙必勝作戦」をよびかけました。公示までに勝利に必要な宣伝・組織活動、とくに支持拡大目標をやりきることをよびかけました。全党的には、投票日前日までの最終到達で、支持拡大は目標比では53%でしたが、3年前の前回参院選時比では97%、17年総選挙時比では127%と、いまの党が持っている自力に照らせば、文字通り全党のみなさんは大奮闘されました。

 同時に、この大奮闘があったものの、目標に届かなかった。この根本には、やはり自力の問題があると思います。党勢の到達点は、前回参院選挙時比で、党員94・0%、日刊紙88・9%、日曜版86・7%でたたかいました。

 こうした中でも、この間、党勢拡大で前進をつくりだしているところでは、比例の得票率も比較的高くなっています。いくつか紹介します。

 全国の自治体・行政区の中で、得票目標を達成した自治体の一つに北海道小樽市があります。北海道小樽市の党は、自ら掲げた18%の得票目標を突破し、道内でもっとも高い得票率18・85%を実現しています。小樽では総選挙後49人の新入党員を迎え、有権者比で党員0・71%、日曜版は2・42%と比較的分厚い党をつくった。このことが大きな力を発揮したと、地区委員長は語っています。小樽では、統一地方選の前半戦でも3人区の道議選で再選をかちとり、後半戦の小樽市議選でも5人全員を当選させ、その勢いで参院選では公示日の翌日に支持拡大で得票目標を突破し、最終的に支持拡大目標比78・6%まで追い上げました。

 全国の町村段階で、17年総選挙からの得票の伸びで「ベスト10」に入っている自治体の中で、秋田・山本地区三種町の党組織(3支部)は、17年総選挙時比で204票、3・85%伸ばし、比例票で11・24%を獲得しています。この党組織は、党員拡大と全党員参加に努力を重ね、前回参議院選挙後15人の新入党員を迎え、在籍党員は58人。新入党員教育、党費納入を重視し、党費は58人全員が納入しています。参院選では、町の党組織として公示1カ月前から連日、宣伝カーを運行し、58人中48人の党員が支持を広げたということであります。

 こうした経験も全国で生まれています。大いに学びたいと思います。

選挙でつくった条件をただちに生かす

 第二に、選挙でつくった条件をただちに生かせるのが、この8月、9月からです。文字通り、「鉄は熱いうちに打て」ということであります。

 参院選後も、「市民と野党の共闘で頑張ってほしい」という党への新たな注目、期待が広がっています。志位委員長が選挙後の会見で、野党共闘に対する党の立場についてこう述べました。

 「互いに認め合い、リスペクトし、国民の緊急の願いにもとづいて団結する。多様性の統一こそが本来の民主主義だ」。この発言に共感が広がっています。記者会見を紹介する動画が60万回を超えて再生されています。この動画を見た若い世代からは「こんな政党があったのか」と新鮮な驚きの声があがり、それがまたSNSで拡散されています。

 党と国民との結びつきの広がりも、新たな条件を生み出しています。この選挙で対話は1237万人、支持拡大は920万人に広げました。「折り入って大作戦」では、157万人に働きかけ、42万人を超えて「担い手」が広がりました。920万人が共産党の支持を約束してくださったわけです。このことは、今後の入党や「しんぶん赤旗」購読の働きかけにとって、新たな広大な可能性をつくりだしています。どの支部でも新しい党員と読者を増やす条件が広がっていると思います。

 市民と野党の共闘にとりくむなかで、新たな友人もさまざまな形で広がっています。選挙戦のなかで、市民やJCPサポーターの方が、自ら名乗って「比例は共産党」とSNSで発信する、党の応援弁士に立つ、などの変化も生まれています。

 若い世代の中でも党への共感と期待が広がっています。“学費をただちに半額に”“最低賃金は1500円に”など、切実な願いにこたえる党の提案が若い世代の希望となり、これまで以上に響きあう選挙となりました。ジェンダー平等への強い関心が寄せられたのも若い世代の特徴でした。選挙終盤には、大学門前で対話になった学生や、候補者の街宣にきた高校生などが民青に加盟する経験が生まれています。公示後の民青同盟の拡大は、3年前の参議院選挙では7都道府県24人でしたが、今回は18都府県38人と、3年前を上回っています。

 何よりも、こうした方々に選挙結果を報告し、お礼を言うことは、どんな党組織もまずやる必要があります。その活動と一体で、「担い手」として働きかけたすべての読者、後援会員、支持者、選挙で結びついたすべての人々、とりわけ労働者や若い世代に働きかけ、入党と「赤旗」購読を訴えましょう。党機関役員と2700人の地方議員が支部と一緒になって党勢拡大にとりくみ、成果を広げようではありませんか。

たたかいの中で党づくりを

 第三に、この8、9月、消費税増税、改憲阻止のたたかいがいよいよ重要な局面を迎えます。公約実現のたたかいを広げるとともに、その先頭に立つ日本共産党を強く大きくしていく。たたかいのなかでこそ、それが求められていると思います。

 選挙結果は、改憲勢力が3分の2を割り込み、改憲策動に痛打を与え、政治局面を大きく変えました。選挙後のどの世論調査も、安倍改憲には多数が反対を表明しています。

 しかし一方、安倍政権は、「国民の信任を得た」などと述べ、野党の一部の分断工作をはかる策動も強めています。萩生田光一・自民党幹事長代行は、インターネットの番組で、衆院憲法審査会を動かすために「今のメンバーでなかなか動かないとすれば、有力な方を議長において憲法改正シフトを国会が行っていく」。首相側近が議長を代えるという、三権分立を根底から踏みにじる、強権的な姿勢があらわになってきています。

 こういうもとで、われわれのたたかいを大きく広げることが急務になっています。「3000万人署名」を一気に達成することを軸に、改憲発議を許さない国民的世論をつくっていきましょう。市民連合と野党4党1会派の共通政策には、「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせない」ことが明記されています。この一致点での野党の結束を強めるために力をつくしたいと思います。

 消費税増税中止は、国民の揺るがぬ世論です。この中で増税を強行すればさまざまな矛盾が広がっていくことは間違いありません。「共同」の世論調査では、反対が55・9%、公明党に投票した人でも51・9%にのぼります。いま増税することは、国民生活にも日本経済にも取り返しのつかない大打撃を与えます。増税中止の一点での共同をさらに発展させる。このことが、必ず今後のたたかいにも大きく生きてくることになると思います。「10月消費税10%ストップ! ネットワーク」がすすめている署名や宣伝活動をさらに強めていきましょう。党として、「消費税増税に頼らない別の道」の政策を大いに語り、運動を発展させていきましょう。

 安倍9条改憲阻止、消費税増税中止のたたかいを広げつつ、これと一体に、そして、このたたかいをすすめるためにも、強く大きな党をつくる仕事にとりくもうではないか。このことを訴えます。

記念講演会を結節点に

 最後に、最大の結節点は、8月8日、党創立記念講演会です。昨年の記念講演会は、「特別月間」のさなかに行われました。「入党よびかけカラーパンフ」を広く届け、全国の視聴会場はもちろん、党員宅などでも視聴会を計画し、大規模に働きかけていく「党員拡大全支部総行動」にとりくみました。

 この経験も生かし、党創立記念講演会を節にした計画と段取りをとり、後援会員や支持者、JCPサポーター、市民と野党の共闘でともにたたかった人々などに広く案内し、党に迎えましょう。青年・学生党員、民青同盟員をはじめ、若い世代の参加を特別に重視し、入党と加盟のよびかけをすすめたいとおもいます。記念講演を力にして、すべての支部・グループがこの時期「集い」を開き、「集い」を推進軸にして党勢拡大をすすめることをよびかけたいと思います。

 あわせて、夏の運動団体の諸行事を成功させ、タテ線・グループが思い切って労働者、若い世代を党に迎えるものとする。このことをもう一言強調して、私の報告といたします。


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