2019年7月30日(火)
鼓動
瀬戸 競泳個人メドレー2冠 世界水泳
小細工無用 攻めの姿勢貫く
瀬戸大也(だいや)選手が水泳の世界選手権(韓国・光州)最終日の28日に行われた男子400メートル個人メドレーで優勝し、200メートル個人メドレーに続く2冠を達成。来年の東京五輪代表の座も手にしました。200メートルバタフライで銀。1大会の個人種目で3個のメダルは日本勢初の快挙です。
力の限りを尽くしました。泳ぎ終え、足をひきずるようにして引き揚げました。
今大会4種目も出場し、これが9本目のレース。それでも開始から飛ばしました。最後に猛追されたものの、必死の泳ぎで先頭を譲りませんでした。
「来年を見据えて積極的に攻める姿勢を貫こうと思った」。前半にペースを抑える安全策を選びません。
どの大会・種目でも序盤からスピードに乗る展開を心がけてきました。2年前の世界選手権400メートル個人メドレーで消極的な泳ぎから3位に終わった苦い経験が契機でした。
試練に立ち向かう積極性も人一倍です。大会前、疲労を考えて本職ではない200メートル個人メドレーを回避する道もありました。しかし、「個人メドレー(の称号)は『キング・オブ・スイマー』。二つとも出たい」と志願。さらに、直前にけが人が出た800メートルリレー予選で代役出場を引き受けました。
身長190センチ前後の大型スイマーがそろう世界で光彩を放った174センチの瀬戸選手。「この称号を他の人に譲らないように頑張る」と、東京五輪へ攻めの泳ぎに磨きをかけます。(勝又秀人)