2019年7月30日(火)
核兵器禁止条約署名促す
政府に長崎市長 「平和宣言」骨子発表
長崎市の田上富久市長は29日、8月9日の「原爆の日」に開かれる平和式典で読み上げる「長崎平和宣言」の骨子を発表しました。日本政府に対して、2017年に国連会議で採択された核兵器禁止条約への署名、批准を要請。憲法の平和理念を堅持するよう訴えるとともに、「北東アジア非核兵器地帯」の検討を求める内容となっています。
平和宣言では、今回初めて被爆者の女性がつづった詩を引用し、被爆の惨状や被爆者の思いを訴えます。「核兵器のない世界」の実現に向け、市民社会が世界を動かしてきた実績を紹介し、市民社会の力の重要性を指摘。「自分たちにできることはたくさんある」とのメッセージを発信します。
核保有国に対しては、核不拡散条約(NPT)で課せられた核軍縮の義務を履行するよう要請。各国首脳などに被爆地を訪問するよう呼びかけます。
田上市長は記者会見で「核兵器が使われる危険性が高まっている。日本政府は『核なき世界』に向けた明確なメッセージを発信すべき時期で、禁止条約への署名、批准の方針を一刻も早く出してもらいたい」とのべました。
市は5月以降、被爆者や有識者らでつくる起草委員会を開催してきました。