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2019年7月26日(金)

差別や偏見のない社会に

献花続く 津久井やまゆり園事件3年

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(写真)献花台に手を合わせる園の元職員ら=2016年7月28日、相模原市の津久井やまゆり園

 相模原市緑区千木良の障害者施設「津久井やまゆり園」で、重度の障害がある入所者19人が殺害され、職員含む27人が負傷した事件から26日で3年を迎えます。

 元職員の被告=殺人罪で起訴=は、重度障害のある人に対し「障害者は不幸を作ることしかできない」「意思疎通を取れない人間を安楽死させるべき」などとして、犯行に及びました。その優生思想的な考えに、遺族や関係者、全国の障害者・家族だけでなく多くの市民が震撼(しんかん)しました。

 3年を迎える今も同被告は「共生社会は実現できないというのは試す前から分かっている」などと述べ、入所者の殺害を正当化しているといいます。

 人間に優劣をつける優生思想。障害者への差別や偏見は、旧優生保護法に基づき不妊手術を障害者らに強制した問題や、官公庁が障害者雇用数を偽装した問題の根底にも横たわっています。

 「事件を契機に、私自身の内なる優生思想について考えさせられた」。そう話す女性(70)=埼玉県越谷市=は、長女(43)、長男(40)ともに脳性まひで重度の肢体障害と重度知的障害を併せ持っています。

 「障害の有無にかかわらず、人が大事にされていない社会だと感じています。個人の尊厳が損なわれている。障害のある人の生きている姿を通して、人間らしい社会とはどんな社会なのかを考えるきっかけにしていきたい」と語ります。

 再建に向けて3月、津久井やまゆり園の除却工事が終了しました。神奈川県は現在、新しい園舎を計画中で、横浜市港南区内の芹が谷園舎と併せて132人が住めるよう整備を進めています。

 やまゆり園正面には献花台が28日まで設置されています。


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