2019年7月19日(金)
日韓徴用工問題
仲裁委手続き期限切れ
韓国人元徴用工問題をめぐり、1965年の日韓請求権協定に基づく仲裁委員会設置に向けた手続きは、期限の18日を迎えました。韓国側は日本政府の要請に回答せず、協定が定める紛争解決プロセスは終了。日本政府は引き続き、解決策を示すよう促す方針ですが、韓国政府は半導体材料の輸出規制などを受けて反発を一層強めており、日韓両国の対立は長期化しそうです。
日本政府は協定に沿って、1月に協議を申し入れ、6月19日に仲裁委員を任命する第三国の選定を迫るなどしてきました。西村康稔官房副長官は18日の記者会見で「韓国政府は仲裁に応じる協定上の義務を負っている」と強調しましたが、韓国の対応は変わりませんでした。
日本政府は19日に、徴用工問題をめぐる今後の対応を表明する見通し。国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れますが、韓国に応じる義務はないため、「意味があるのか」(政府関係者)などと慎重論も根強い。西村氏は18日、今後の対応に関し、「現時点では答えを控える」と述べるにとどめました。
原告側は差し押さえた日本企業資産の現金化に向けた手続きを進めています。実害が生じた場合、日本政府は対抗措置や国家間の賠償請求に乗り出す構えです。
韓国政府は、日韓両国の企業が資金拠出し、被害者に慰謝料相当額を支給する案を打診しましたが、日本側は拒否。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「唯一の解決策だと主張したことはない」と述べ、今後の交渉に含みを残しています。