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2019年7月19日(金)

子ども医療費助成 自治体の努力を妨害

あべこべ政治転換を

図

 すべての自治体が実施している子どもの医療費助成制度をめぐって、自治体の努力を妨害する安倍政権の姿勢が厳しく問われています。少子化は「国難」だと言いながら、それに反することを行うあべこべ政治の転換が必要です。

拡充に罰則を科す

 20政令市の子ども医療費助成を調べたところ、昨年10月から今年4月にかけて札幌、横浜、川崎、相模原、新潟、堺、熊本の7市が助成対象を拡充しました。さらに京都市は今年9月から、静岡、浜松両市は今年10月から拡充します。札幌市は2020年4月と21年4月にも段階的に拡充する計画です。

 これに対し、安倍政権はこうした自治体の取り組みを応援するどころか、小学生以上の医療費「無料化」にペナルティー(罰則)を科し、国民健康保険に対する国庫負担金の減額措置を続けています。

 それでも自治体が努力しているのは、お金の心配なく安心して子育てできるようにという保護者や住民の願いがあるからです。助成制度がなければ、子どもが医療機関にかかる際の窓口負担は未就学児が2割負担で、小学生以上は現役世代と同じ3割負担が強いられます。いまでは1700余の全市区町村が就学前まで医療費助成を行うに至っています。

社会保障に責任を

 しかし、国が助成制度をつくらないため、助成対象は自治体ごとに「小学○年生まで」「中学卒業まで」「高校卒業まで」などとばらばらで、窓口負担や所得制限に差もあります。経済的理由で受診を我慢する「受診抑制」は依然、深刻です。

 国が公的社会保障の責任を発揮すべき時です。日本共産党は、国の制度として就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化し、それを土台に自治体の助成制度を前進させていくと主張しています。もちろんペナルティー措置は廃止します。

 国保への国庫負担を削減すれば、子どもが多い家庭ほど高くなる国保料(税)のさらなる値上げにつながりかねません。安倍政権はここでも子育て支援に逆行しています。

 全国知事会など地方6団体は6月、ペナルティーの全面廃止や全国一律の医療費助成制度の創設で「少子化対策の抜本強化」をと国に要請しています。

 国民の願いに正面から応える政治へ―。参院選が転換点です。

 (松田大地)


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