2019年7月14日(日)
「NHKから国民を守る党」とは
「選挙は売名」 有権者への責任は?
「NHKをぶっ壊す」をキャッチフレーズに、参院選に比例に4人、選挙区に37人を擁立している「NHKから国民を守る党」とは、どんな“党”なのか―。
比例に立候補した立花孝志代表は、元NHK職員。2013年に同党を立ち上げ、15年4月に千葉県船橋市議に当選、任期半ばで、16年7月の東京都知事選に立候補しました。その後、17年1月の東京・葛飾区議選で当選するも、ことし6月の堺市長選挙に立候補したため、同区議を自動失職。さらに、今回の参院選です。
堺市長選への立候補表明後、ツイッターに「すべての選挙は売名が目的となります。その目的が、当選でなくていいのです」と書き込むなど、有権者への責任という考えはみられません。
東京選挙区に立候補している大橋昌信氏も、15年12月の埼玉県朝霞市議選で当選しましたが、同党が参院選への挑戦を発表したことし4月26日に辞職。同日の会見で、「参院選後の(千葉県)柏市議選(8月4日投票)に出るには、今日が転居のギリギリのタイミングだった」とのべました。
朝霞市より柏市のほうが、議員報酬が高いというのが理由。現職市議が別の市議選に出るために、任期を残して辞職、ついでに参院選に立候補…。有権者を愚弄(ぐろう)するものです。
たしかにNHKに対する視聴者の批判や不満は強いものがあります。しかし、同党への投票が、NHKをよくすることにつながるとは、到底思えません。(藤沢忠明)