2019年7月13日(土)
主張
OECD教員調査
先生をふやす選挙にしよう!
「参院選では、教員の働き方のことを考えてくれる政党を探したい」。そんな声が、教員や教職志望の学生から聞こえてくるほど、教員の働き方は深刻です。
経済協力開発機構(ОECD)の教員の働き方や学校環境に関する国際調査結果(6月19日発表)では、世界から見た日本の異常さが、改めて示されました。
世界に例ない長時間勤務
何より深刻なのは、世界に例がない勤務時間の長さです。中学校の勤務時間は、ОECD平均が週38・3時間に対し、日本は約1・5倍の週56時間でした。小学校でも週54・4時間です。ここには非常勤の講師も含まれており、正規教員の勤務時間はさらに長いことをうかがわせます。
国の調査では、正規教員は1日平均約12時間働いています。病気で体をこわす先生はあとをたたず、過労死も各地でおきています。全日本教職員組合(全教)などがすすめる「せんせい ふやそうキャンペーン」には、「育休明けだけど働き続けられない」「助けてください」という悲鳴のような声が次々と寄せられています。
ОECD調査でもう一つ際立っているのが、日本の教員の自己評価の低さです。
それは謙虚さなど人の性格で説明できるものではなく、教員たちの置かれている現実の反映です。なぜなら、日本の教員はこんなに長く働いても、授業の準備や子どもと遊んだり向き合ったりする、教員として最も肝心なことができないでいるからです。多くの時間が、形式を重んじる報告書や全国学力テスト対策など行政がつくりだした仕事に奪われています。
忘れてならないのは、こうした状況は、政治によって引き起こされたということです。35人学級を小1、小2だけにとどめ、教員をふやさず、全国学力テストや免許更新制などをすすめてきた安倍晋三政権の責任は明らかです。
日本共産党は昨年11月、政策「教職員をふやし、異常な長時間労働の是正を―学校をよりよい教育の場に」を発表しました。
政策は、「1日4コマの授業負担」がかつて国の原則だったことを明らかにしました。多くの校務とあわせて1日8時間労働に収めるための措置でした。ところがその後、国はこの原則を投げ捨て、長時間労働をもたらしたのです。
政策は「1日4コマ」に戻すため、教員9万人増員計画を提案しました。78・5%の教員が「教員の増員が必要」(厚生労働省の「過労死白書」)と回答しており、学校現場の思いとぴったり一致した提案です。また政策は、国や教育委員会が押し付けてきたさまざまな業務の削減・廃止、教員の自主性の回復を訴えています。
子どもにも保護者にも
党の政策への共感とともに、「今度は共産党」の声が広がっています。「戦闘機増やすより、先生増やそう」と訴えるJCPサポーターの教育関係者らがつくった動画「せんせいふやそう! 選挙にいこう!」が話題です。視聴は初日で1万回を超えました。
教員が働きやすい学校は、教育が豊かになります。それは子どもや保護者にとっても幸せなことです。教職員の働き方は、まさに国民的な課題です。この参院選で「先生ふやそう、選挙にいこう」の輪を広げましょう。