2019年7月9日(火)
ここがいいネ!共産党
戦争に一貫して反対
地図研究家 フリーライター 今尾恵介さん
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今までの投票先で一番多かったのが、共産党です。労働者の党というだけでなく、LGBTや障害者、日本で働く外国人などの弱者、マイノリティーの人と“共に生きようとしている党”だと思います。
共産党は、戦争に一貫して反対してきた。そこに一番共感します。過去の戦争について、きちんとした謝罪も総括もしない今の政府とは対照的です。
戦争と地図とは深いかかわりがあります。昔から軍事にかかわる施設は地図に書かれないか、書かれていてもその地図は国家の中枢の人たちしか見ることができませんでした。
その情報隠しがさらにひどくなったのが、1937年の軍機保護法「改正」です。日中戦争が始まるころ。国家の統制色が強くなり、国家総動員体制が敷かれる中で、地図にうそが書かれるようになりました。私が住む東京都日野市の近くにある立川飛行場も、畑や雑木林に擬装されました。
この軍機保護法が、2014年に施行された特定秘密保護法と私の頭の中でリンクするのです。「戦争なんて起きない」「今が戦前なんて大げさだ」という人もいます。でも私は、今の政権が非常に怖い。戦争前夜のような気がしてならないのです。
共産党議員の知り合いは、だいたい女性です。世の中の半数は女性だから、議員の半分も女性で当然。女性に参政権を与えず、生活の面倒なことを押し付けて天下国家を語っているつもりの男が戦争を起こし、無駄に引き延ばしてたくさんの死者が出た。女性が重要な地位を占めることは、非常に大切だと思います。
戦時中のこのむちゃくちゃぶりは、正しいことが通らないという今の安倍政権の姿勢と重なって見えます。道理のある主張を言っても、ニタニタしたり、はぐらかしたり。
そんな安倍政権も、共産党議員の質問は怖いんじゃないですか。たるんだ与党の人たちを怖がらせる質問を、もっと突きつけてほしいと期待しています。
聞き手・写真 堤由紀子
いまお・けいすけ 1959年生まれ。一般財団法人日本地図センター客員研究員、日本地図学会評議員、「地図と地名」専門部会主査。『地図で読む戦争の時代』(白水社)、『地図で楽しむ日本の鉄道』(洋泉社)、『地図が隠した「暗号」』(講談社)など著書多数。