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2019年7月2日(火)

ネット党首討論

年金・消費税・憲法 争点鮮明に

志位委員長が発言

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(写真)「ネット党首討論」で発言する志位和夫委員長(右)=6月30日、東京都港区

 参院選(4日公示、21日投開票)が迫るなか、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」で「参議院議員選挙2019『ネット党首討論』」が6月30日夜、行われました。通常国会閉会後、初の党首討論で、年金、消費税、憲法改定で争点が鮮明になりました。(討論詳報)

 日本共産党の志位和夫委員長は、一大争点になっている年金問題で、安倍首相が年金給付を自動削減する「マクロ経済スライド」の廃止に「7兆円の財源が必要」と語ったことに触れ、「国民の年金を7兆円規模で奪うことを認めた重大答弁です」と批判し、同制度を廃止して「減らない年金」をつくると表明。景気悪化のもとで消費税10%はやってはならないとして、「くらしに希望を―三つの提案」を「消費税に頼らない別の道」で実現すると述べ「この道にこそ希望がある。このことを訴えてたたかいます」と語りました。

 志位氏は、「マクロ経済スライド」で、いま40歳以下の人では夫婦で月4万円の年金削減になると指摘。同制度を廃止し、年収1000万円の年金保険料負担の上限額を引き上げるなどで約1兆円の財源を確保すべきだと迫りました。安倍氏は理由をしめせず「採用できません」と背を向け、言い訳に終始しました。

 消費税10%増税について志位氏は、「内閣府の景気動向指数は2カ月連続の『悪化』です」と指摘。G20の首脳宣言にも触れて、「国内経済の悪化の点からも、世界経済のリスクからも、増税は無謀であり、中止すべきです」と求めました。

 安倍氏は「内需は堅調」と強弁し、雇用や所得環境の「改善」など、すでに総崩れとなっている増税の「根拠」を持ち出すだけ。景気動向指数にも触れませんでした。

 最低賃金の引き上げにむけて志位氏は、安倍政権下で7億円に削減された中小企業の賃上げ支援予算を7000億円に引き上げると提案。安倍氏が関係のない数字を持ち出したことに、立憲民主党の枝野幸男代表が「話をすり替える、いつもの手法」と反論する場面もありました。

 議論のテーマは憲法改定に。志位氏は「安倍首相による9条改定を許すかどうか。ここに争点があります」とズバリ。同日行われた米朝首脳会談を歓迎すると表明し、「いま安倍政権がなすべきは、憲法を変えることではありません。憲法9条の精神に立ち、北東アジアの平和プロセスを促進するための平和外交です」と語りました。

 志位氏は、トランプ米大統領が「日本が攻撃されれば、米国はたたかわなければならないが、日本はたたかう必要がない。変えなければいけないと安倍首相に伝えてきた」と語ったことに言及し、「ここに憲法9条改定の真の狙いがあるのではないでしょうか」と質問。安倍氏は「トランプ大統領の考えを述べられたもの」と語るだけでした。

 「改憲4項目の条文案は自民党の公約か」と繰り返し志位氏に問われた安倍氏は、「公約として位置づけ、条文イメージとしてお示ししました」と述べ、条文案が公約であることを認めました。

 憲法審査会について、志位氏は「憲法一般を議論する場ではありません。憲法改正原案をつくる場です。国民の多数は憲法を変えることを望んでいません。動かす必要はないというのが私たちの立場です」と述べました。


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