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2019年7月1日(月)

希望と安心の日本を

「日曜討論」 笠井政策委員長が発言(詳報)

 日本共産党の笠井亮政策委員長は30日のNHK「日曜討論」で、消費税増税、年金問題、憲法、参院選などについて、各党の政策責任者らと議論しました。


 公示(7月4日)目前の参院選をめぐって“安定した政治”を強調する自民、公明の与党に対し、笠井氏は「安倍政権は、消費税増税や原発再稼働に固執し、民意無視の沖縄辺野古新基地建設を強行して憲法9条改定に異常な執念を燃やしている。こんな政治が安定したら大変だ」と指摘。「全32の1人区での野党統一候補の勝利と日本共産党の躍進で、『希望と安心の日本を』つくり、憲法9条を生かした外交へと進む新しい政治への一歩を踏み出したい」と力を込めました。

消費税増税

別の道で7.5兆円財源確保できる

 自民党の新藤義孝政調会長代理は「憲法改正をしっかり訴えていきたい」と表明。10月からの消費税10%への増税を「予定通り実施したい」と述べました。

 笠井氏は「家計消費は年25万円、実質賃金は10万円も下がり、景気動向指数は『悪化』が続いている。10%増税は中止すべきだ」と主張。大企業・富裕層に応分の負担を求め、米軍への「思いやり予算」などを廃止することで「消費税に頼らない別の道で、暮らしに希望をもたらす7・5兆円の財源ができる」と強調しました。

 中小企業支援と合わせた最低賃金引き上げ、公費1兆円投入による国民健康保険料(税)の引き下げ、大学学費の半減、認可保育所30万人分の整備などが実現できるとし、「暮らしを温め、アベノミクスで広がった格差と貧困を正す」と力を込めました。

 新藤氏は月例経済報告を挙げ、「景気は緩やかに回復している。経済に満足はない。(民主党政権時より)悪くなったのか」と居直りました。

 立憲民主党の逢坂誠二政調会長は「大企業の内部留保は増えているが、企業がもうかっても庶民の懐は潤っていない」と指摘し、消費税増税の「凍結」を主張。国民民主党の泉健太政調会長は「企業収益と物価は上がったが家計にお金が回っていない」とアベノミクスを批判しました。

年金問題

保険料優遇正し1兆円の財源へ

 笠井氏は年金だけでは老後に2000万円不足するとした金融庁審議会の報告書に端を発した年金問題について、笠井氏は「社会保障のためだとして消費税を上げ、年金は減らして『あとは自分で蓄えろ』と(いうことだ)。『100年安心』はうそだった」と批判。マクロ経済スライドによる年金給付額抑制で、年金が7兆円も減ることを認めた安倍晋三首相の発言に触れ、「基礎年金(国民年金)が年24万円も減る大変な事態だ」と強調しました。

 その上で、「マクロ経済スライド」を廃止し、高額所得者の年金保険料の優遇を正して1兆円の財源をつくること、年金積立金200兆円の活用、現役世代の賃上げと正社員化による保険料収入の安定化で「減らない年金にする」と提案しました。

 新藤氏は「マクロ経済スライドにより、20年ぶりに(年金給付額が)プラス0・1%改定された」「アベノミクスで経済が進んだおかげだ」と強弁。物価上昇を加味すれば、年金額は0・9%マイナスになることには触れませんでした。

憲法改定

9条2項死文化 武力行使の道に

 憲法をめぐっては、新藤氏が野党を“憲法審査会での憲法論議に応じない”などとしきりに非難。公明党の石田祝稔政調会長は「共産党が憲法審を開く必要がないというのは暴論だ」と主張しました。

 これに対して笠井氏は「憲法審査会は憲法の一般的な議論をする場ではなく、改憲原案を発議する場だ。国民の多数は9条を含む安倍政権下の改憲に反対なのだから、審査会を動かす必要はない」と強調。自民党が主張する9条への自衛隊明記については、「(9条)2項を死文化し、海外での無制限の武力行使に道を開くものだ」と危険性を指摘しました。

 さらに、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での日米首脳会談で安倍首相とトランプ米大統領が世界規模での協力の深化・拡大を確認したことについて、「専守防衛を建前にしてきた自衛隊を海外で武力行使する軍隊に変え、米国と肩を並べて戦争する国にする動きは絶対に許されない」と批判しました。

 逢坂氏は「憲法違反の集団的自衛権を認めながら9条を変える議論をするのは立憲主義の観点から到底許せない」と指摘。泉氏は、新藤氏が「憲法の3原則は堅持する」と述べたのに対し、「袖の下から刃物が見えるような振る舞いをしている」と批判しました。逢坂、泉の両氏はイージス・アショア配備の撤回を求めました。

 新藤氏は「憲法の運用解釈はもう限界だ。みなさんは自衛隊があることを前提としているが、自衛隊は憲法のどこで認められるのか」と発言する一方、「(自衛隊を明記しても)憲法の原則は変わらない」と強弁しました。

 これに対して社民党の吉川元政審会長は「運用解釈を拡大し、無理のある解釈を繰り返してきたのは与党・自民党だ。それがもうできないから今度は憲法改正だというのは盗っ人たけだけしい」と批判しました。


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