2019年6月26日(水)
“大学修学支援は消費税が財源”
生徒・保護者に増税合理化
文科相が文書 徹底図る
柴山昌彦文部科学相が、すべての高校生と保護者を対象に大学などの「新たな修学支援」について「消費税を財源としています」とする「メッセージ」を出し、都道府県教育委員会などに周知徹底を求めていたことが分かりました。学生の1割程度しか対象にならない「修学支援」を口実に消費税増税を高校生にまで押し付けようというものです。(井上拓大)
全高校生にメッセージ
「メッセージ」と同時に高校の教職員や教育委員会に向けて出された柴山文科相名の文書には「今回の支援は、本年10月の消費税率の引上げによる増収分を活用して実施します」と明記されています。
経済的理由で修学が困難な低所得者世帯を支援するとしながら、低所得者世帯ほど負担の重い消費税を財源とすることは矛盾します。このため消費税を財源にすることには、多くの批判が上がっていましたが、与党などは消費税増税を財源とすることを明記した法律を成立させました。
「メッセージ」は高校生・保護者に対し文科相みずからが「修学支援」のためには消費税増税が必要と合理化するものです。
「メッセージ」では「経済的理由で進学をあきらめることがないよう」にするなどと述べていますが、「修学支援」の対象は全学生の1割程度にすぎません。
日本共産党は大企業に中小企業並みの負担を求めるなど消費税に頼らない財源によって、すべての学生を対象に授業料を半額にし、将来無料にすることや月3万円の給付奨学金を70万人の学生が利用できるようにすることを政策にしています。
「メッセージ」は5月14日付。文科省は本紙の取材に「(メッセージは)全生徒を対象としており、各県の教育委員会に配布して説明し、子どもたちにも回るようにした」と説明しています。文科省のホームページには全く同じ内容を柴山文科相が語る動画が出ています。
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