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2019年6月24日(月)

主張

「骨太」閣議決定

暮らし破壊の加速を止める時

 安倍晋三政権が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」を閣議決定しました。10月から消費税率を10%へ引き上げることを明記するとともに、暮らしを支える社会保障費を圧縮する方針も堅持しています。目前の参院選を意識し、医療や介護の負担増を露骨に迫る表現を避けたものの、選挙後に「重点的に取り組む」課題として位置付けています。いまでも高すぎる国民健康保険料(税)の引き上げに拍車をかける仕組みの強化も明確にしています。国民に犠牲を強いる「骨太の方針」の危険はごまかせません。

「痛み」求める姿勢堅持

 安倍首相の政権復帰後、7度目となる「骨太の方針」は、あくまで消費税増税を強行する姿勢を鮮明にしました。経済悪化が現実のものになっている時に、5兆円もの増税を国民に押し付けることは、無謀という他ありません。

 安倍政権はこれまでの「骨太の方針」で、社会保障改悪を推進することを掲げてきました。しかし、今回は、医療費の窓口負担増や介護保険の利用者負担増についての直接的な言及はなく、抽象的な表現が目立ちます。「選挙戦への悪影響を懸念した」ためなどとマスメディアで報じられています。

 しかし、社会保障改悪の手を決して緩めようとはしていません。それを示す記述の一つが、「団塊の世代が75歳以上に入り始める2022年までに社会保障制度の基盤強化」を進めるというくだりです。安倍政権は昨年の「骨太の方針」で、19~21年度を財政の「基盤強化期間」と定め、社会保障費の自然増を削減する仕組みをつくることを打ち出しています。国民に「痛み」を求める方針が揺らいでいないことは明白です。

 「新経済・財政再生計画」の改革工程表を「着実に推進する」とわざわざ強調していることは重大です。同工程表は、昨年末に安倍政権が決定したものです。工程表の「給付と負担の見直し」の項目には、後期高齢者医療制度の窓口負担や、介護保険の軽度者の生活援助サービスのあり方の検討をはじめ負担増につながる制度改悪のメニューがずらり並んでいます。

 今回の「骨太の方針」では、この工程表にのっとり、医療、介護、年金などさまざまな分野で検討をすすめ、次回20年の「骨太の方針」で「給付と負担の在り方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめる」とはっきり述べています。7月の参院選では国民の目をごまかして、選挙が終われば、社会保障の大改悪に一気に乗り出そうという企てです。安倍政権のすすめる医療、介護、年金などの改定が、国民に正面から語れない深刻な中身であることを浮き彫りにしています。

有権者の審判が不可欠

 住民生活を守るため国保料高騰を抑えようと、地方自治体が独自に行っている財政的措置をやめさせる仕組みを強めることも求めています。「骨太の方針」は国民の願いに真っ向から逆らうものです。

 一方で、「骨太の方針」や、それと一体で閣議決定された「成長戦略実行計画」は大企業のもうけ優先の政策が盛りだくさんです。

 消費税増税と社会保障改悪の安倍政治にストップをかけ、国民が暮らしに希望を持てる政治に切り替える時です。参院選での有権者の審判がいよいよ重要です。


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