2019年6月24日(月)
年金を7兆円削減するマクロ経済スライドを廃止し、貧しい年金の底上げを
NHK「日曜討論」 小池書記局長が主張
通常国会会期末(26日)、参院選を目前にした23日、与野党書記局長・幹事長がNHK番組「日曜討論」で、年金や消費税増税、参院選に臨む姿勢などについて議論を交わしました。日本共産党の小池晃書記局長は、「減らない年金」を第一歩とする年金抜本改革や、消費税に頼らず、賃上げやくらしを支える社会保障を実現することなど、党の提案を訴えました。(詳報)
年金問題をめぐり小池氏は、安倍晋三首相が年金給付を自動的に削減する「マクロ経済スライド」が完全実施されると、7兆円も年金給付が削られることになると認めたことを示し、これでは、40年間保険料を納めても月6万5000円にすぎない国民年金(基礎年金)が約4万5000円になると指摘。「とても生きていけるような水準ではない」と批判し、「100年安心といいながら、足りない年金を減らし続ける制度でいいのか、徹底的に議論すべき時だ」と主張しました。
これに対し、自民党の萩生田光一幹事長代行は、「与野党で話し合いを続けていく機会はつくっていただきたい」と応じました。
公明党の斉藤鉄夫幹事長は、年金額の現役世代の手取り収入額に対する割合=所得代替率は5割を確保する設計になっているとして、「年金制度は安定している」と強弁しました。
これに対し小池氏は、所得代替率のモデル世帯は、夫が40年間正社員で働き、妻は40年間専業主婦という想定であり、現実的ではないと指摘。そういう最も年金計算が有利な世帯でも、支給が始まれば5割を割ってどんどん下がっていくと反論しました。基礎年金を3割も削減するのが「マクロ経済スライド」だとして、「制度の安定性というが、年金制度は滅びなくても国民の暮らしも日本の経済も滅びてしまう。マクロ経済スライドは廃止し、低い年金を一律に底上げすべきだ」と主張しました。
10月からの消費税10%への増税について小池氏は、景気動向指数が2カ月連続で悪化する景気後退局面での増税は「愚の骨頂だ」として中止を要求。必要なのは最低賃金の引き上げや、高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げといった家計を温める経済政策だと訴えました。