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2019年6月23日(日)

ジェンダー平等こそ未来

対策弁護団 医学部入試差別問題シンポ

 医学部入試差別の背景を探り、問題解決をめざすシンポジウム「ジェンダー平等こそ私たちの未来」が22日、東京都内で開催されました。主催は医学部入試における女性差別対策弁護団です。


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(写真)シンポジウムで議論する(右から)辻村、山口、吉野の各氏=22日、東京都内

 2大学に損害賠償を求めている訴訟について、当事者の苦しみの声と全国からの「差別は許さない」の怒り、ネットを介した個人寄付から成立した日本初の訴訟であることが同弁護団から紹介され、法廷への注目と支援が呼びかけられました。

 パネリストとして登壇した3人は、日本社会がジェンダーバイアス(偏った性的役割分担)を乗り越える必要性を共通して指摘しました。

 女性が健康に活躍できる社会を願い日本女性医療者連合(JAMP)を結成した吉野一枝産婦人科医は、「若い世代では男性医師の家事・育児の参加は始まっており、個人の多様性が発揮される場面も増加している」と希望を示しました。

 シカゴ大学の山口一男教授(社会学)は、ライフワークバランス(仕事と生活の調和)を個人単位ではなく、家単位で機能させようとしてきた日本社会の限界を指摘しました。

 明治大学の辻村みよ子教授(憲法学)は、形式的平等の観点で徹底して厳密でなければならない試験の場での差別は、当事者の機会を奪い、社会にも大きな損失をもたらすと指摘。劣性とされてきた女性の社会的回復をめざして、各国で取り組まれてきたポジティブ・アクションの日本での発展の必要性を指摘しました。


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