2019年6月20日(木)
長崎市幹部性暴力裁判弁論
記者「民主主義の破壊」
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長崎市の幹部職員から取材中に性暴力を受けたとして、報道機関の女性記者が市に対し3500万円の損害賠償と謝罪を求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)でありました。市は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示しました。
訴状などによると、2007年7月、当時の長崎市原爆被爆対策部長が女性記者を呼び出し性的暴行をふるいました。その後も別の市職員によって虚偽のうわさを流され、二次被害を受けたとしています。部長は同年11月1日に自殺。女性はPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断を受け休職に追い込まれました。
この日の弁論では、記者の意見陳述書を弁護士が代読し「報道は民主主義の動脈。記者への暴力はそれを破壊するもの」と指摘。「記者をちゃかして侮辱し、権限をふるった暴力を否定するなら、私はその全体像を明らかにしなければならない。それは記者としての責任」だと訴えました。
弁論後の報告集会で中野麻美弁護士は「市は答弁書(非公開)に自分たちに責任はないと書いてきた。つらい思いをして提訴するしかなかった記者の思いに社会は応えていかなければ」と語りました。
傍聴と集会には多くの支援者らが駆け付け、新聞労連の南彰委員長は「市民が培ってきた平和都市長崎にふさわしくない」と市の態度を批判しました。