2019年6月14日(金)
虐待にアフターケアを
児童福祉法改正 倉林氏に参考人
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参院厚生労働委員会は13日、児童虐待防止対策を強化する児童福祉法等改正案の参考人質疑を行いました。
「アフターケア相談所ゆずりは」の高橋亜美所長は、児童養護施設や里親家庭などから巣立った人たちがおとなになって生活に困難を抱えているとし、「児童福祉の観点から切り離してはならない。巣立った人たちが安心して声をあげられる仕組みが必要」と強調。児童福祉法にアフターケアは国の責務と明記し、予算拡充、児童相談所などへの専任職員の配置を行うよう求めました。
日本共産党の倉林明子議員は、支援が必要な親が声を上げにくくなっていないかと質問。日本虐待防止学会の奥山真紀子理事長は、児童の安全確認などの、この間の対策について、「監視社会になるような提案が出されすぎている。監視ではなく支援だというメッセージが伝わることが必要」と答えました。
倉林氏は、虐待を受けた人が、おとなになって生活に困窮しても、声を上げられない理由を質問。高橋氏は、「苦しい経験をしてきた人ほど被害を受けてきたがゆえに自分でも危険信号が分からない」「支援を求めた時、適切な支援につながったという経験がくじかれていると“二度と助けなんか求めるか”という人もいる」と答えました。
倉林氏は、警察との連携について質問。奥山氏は「連携は必要」としつつ、「単に情報を警察に送るだけでは、逆効果になる可能性が高い」と答えました。