2019年6月12日(水)
進む共闘 対決軸鮮明に
「共通政策」土台に協定次々
合同街頭宣伝や演説会
目前に迫った参院選に向け、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、社民党の5野党・会派の党首が32すべての1人区での候補一本化に合意し、13項目の「共通政策」に調印してから2週間。1人区を中心に市民と野党の共闘が進み、11日までに政策協定が調印・確認された1人区は17に達することが分かりました。「単なる一本化」にとどまらず、共通の旗印に基づく共闘が前進しています。
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政策協定の調印・確認が行われた1人区は、青森、岩手、宮城、山形、福島、栃木、群馬、山梨、長野、新潟、岐阜、滋賀、岡山、山口、香川、長崎、熊本の各選挙区です。
この他、徳島・高知合区、大分選挙区などでも協定の調印に向けた協議が進んでいます。
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)と5野党・会派の党首による「共通政策」は、安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を原点にすえ、▽憲法改定・発議阻止▽沖縄辺野古の新基地建設中止▽福島第1原発事故の検証がないままなどの原発再稼働を許さない▽10月からの消費税10%増税反対―という国政の根幹部分で共通の旗を打ち立てました。これを受けて各選挙区では地域の実情に応じた豊かな協定を結んでいます。
新潟の統一予定候補・うち越さくら氏と市民連合・野党間では、すでに5本柱41項目の政策協定を合意。世界最大の原子力発電所の立地地域として「柏崎刈羽原発の再稼働は認められる現状にありません」と明記しています。
長崎選挙区では13項目の共通政策を踏まえた4項目に加え、「核兵器禁止条約の批准を求める」との独自の要望が盛り込まれました。
共通の旗の下で勝利に向けた共闘体制づくりも進んでいます。青森選挙区では11日、小田切達予定候補と野党が共同で街頭宣伝を実施。徳島・高知合区選挙区では23日の共産党と立憲・平和県民連合共催の松本けんじ予定候補の演説会で、共産党の小池晃書記局長、立憲民主の武内則男衆院議員、国民民主の平野貞夫顧問、社保の広田一衆院議員らが並び立つ予定です。
本当の受け皿への一歩
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法政大名誉教授 五十嵐仁さん 安倍内閣「支持」の最大の理由は、「他の政権よりよさそう」とみられていることです。これに対抗するには、安倍政権よりよさそうだと思ってもらうことです。受け皿と認められれば一気に流れが変わる可能性があります。不満も不信も大きいのです。
野党が顔と数をそろえたというだけではだめ。共通政策ができたことは、市民と野党の共闘が本当の受け皿になるための大きな一歩です。そして市民と野党がしっかり足並みをそろえて選挙に取り組めるか、勝負はこれからです。